アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】救急車が搬送先を間違える。道に置き去りにされた患者は死亡。(南ア)

南アフリカ・ケープタウンの街ランズダウンの道端にて、6月19日早朝に60歳の女性が死亡した。彼女は病院から退院して救急車で自宅に帰るはずだったが、救急車に間違った住所で降ろされたのだ。冬のケープタウンで一晩すごすのは命取りである。

女性はスーザン・クルーテさん。彼女は亡くなる前日に病院で結核の治療を受けていたのだが、その帰りの不幸であった。ところが、警察と救急医療サービスによる不手際によって彼女が亡くなったことが判明した。

クルーテさんが救急車に降ろされ横たわっていた道路沿いに住む女性は、クルーテさんになぜこんなところに置き去りにされたのか訊ねたが、クルーテさんはわからないと答えている。

クルーテさんが住む場所は女性の家から2.5キロ離れた場所にある。寒さに震えひどい咳をする彼女を放置するわけにもいかず、かといって高齢者と少女がいる家に感染する病気を持っているかもしれない女性を家に入れるのも気が引ける。結局、この女性は警察と救急車を呼んだ。

しかし女性の家に到着した救急隊員は、クルーテさんを病院にも自宅にも搬送することを拒否した。「退院した病院に連れ戻すこともできない。うちはタクシーじゃないんだ。自分で帰るしかない」と命を守る救急隊に言われる始末。警察は何回呼んでも来ない。女性は最初の救急車が彼女を間違った場所に降ろしたからこういうことになっていると説明しても、「違うシフトの隊員のことに責任は持てない」と返答される。

女性の母親は「警察は何度電話しても来てくれなった。だけど、クルーテさんが亡くなったと知ると急いで駆けつけてきた。しかもパトカーは3台以上もあったわ。誰かが死なないと我関せずっていうのが警察ね」と述べ、あの時何か違う方法をとっていたらクルーテさんは生きていたかもしれないと罪悪感にさいなまれている。

救急医療サービスによると、確かにクルーテさんは6月18日に退院していた。救急隊員は退院書類に基づいて彼女を自宅に送り届けようとしたが、クルーテさんがそこではなく警察に連れて行けとごねたそうだ。警察のほうが安全な場所だからだと主張していたというが、その時のクルーテさんは完全に意識がしっかりしていたとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)