強い中枢神経興奮作用ゆえ、様々なトラブルや事件を起こす危険なドラッグのひとつに挙げられる覚せい剤の「メタンフェタミン」。この乱用がどれほど恐ろしいものか、オーストラリアの政治家がある会合で大変ショッキングな事例を発表した。
「メタンフェタミン」という恐ろしい覚せい剤。常軌を逸した行動を起こさせ、人を廃人に追い込んで行くこともあるこの覚せい剤について、背筋が凍るような事例が次々と報告されている。そんな中、このたびニューサウスウェールズ州のタンビ・アンビにて開催された『Central Coast Ice Summit』というサミットで、オーストラリア自由党の下院議員であるカレン・マクナマラさんが、ドラッグに安易に手を出すことの恐ろしさを知ってほしいと依存症患者のとんだ奇行の事例を発表した。
「ニューカッスルのジョン・ハンター病院で実際にあったという話を紹介します。メタンフェタミン依存の少年が、眼球を自らの手でえぐり出して食べたといって運ばれてきたそうです。メタンフェタミンには“気晴らしの効果”どころではない、恐ろしい影響を人体にもたらすという事実をすべての国民に知らせる必要があります。」
“クリスタル・メス”などと呼ばれることも多いメタンフェタミンだが、オーストラリア人はこれを“アイス”と呼んでおり、近年では乱用者が年間40万人も確認されているそうだ。麻薬密輸業者や密売人がそれで大変な利益を得ていること、青少年の間にも広まっていること、覚せい剤絡みの事件・事故が多発していることにはアボット首相も強い懸念を示しており、「覚せい剤撲滅対策委員会を設置する」と発表したばかりである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)