2008年のシーズンで現役を引退するまで、ホームランバッターとしての確かな実力と破天荒なキャラクターで“番長”と恐れられ愛された元プロ野球選手・清原和博。引退後は野球解説やバラエティで活躍していたものの、昨年の薬物使用疑惑や離婚問題などで一気にメディアの前に出ることはなくなった。登場したのはテリー伊藤との雑誌対談とラジオ出演程度だったが、プロインタビュアーの吉田豪氏が先月、清原にインタビューを実施。吉田氏は自身が出演したラジオ番組で、その様子を語った。
18日に放送されたTBSラジオ『たまむすび』のコーナー「おもしろい大人」に登場した吉田豪氏。吉田氏は月に1度このコーナーに出演しているが、今回は2月にDMMの企画で取材した元プロ野球選手・清原和博について語った。
昨年の薬物使用疑惑や離婚問題以降、マスコミに姿を現さなかった清原。登場したのはテリー伊藤との対談くらいだったが、かつてDMMのCMに出演したよしみで快くインタビューに応じてくれたという。清原は昨年を振り返り、「去年1年間で流した涙はプロ生活23年で流した涙よりも多かった」と改めて口にした。
その一番の理由が“収入”。生涯年俸はなんと51億2300万円、18歳でプロになってから引退するまで、毎月25日には自動的に何千万と振り込まれていた給料がゼロである。一流のプロ野球選手として、見栄を張るためにガンガンお金を使っていた清原にとってはかなり辛い現実だったという。
それでも一時期は野球解説やバラエティで活躍していたものの、“薬物使用疑惑”で状況は一変。かつてコンビニに行ったことがなかったという清原、その当時を振り返り「外に出るとマスコミがいるからコンビニで何百個もおにぎりを食いました」と語ったそうだ。
薬物使用疑惑とは、2014年に週刊文春が報じたもので、糖尿病で治療をしていた清原にかけられた疑惑のことである。また、その疑惑を直撃した文春の記者に掴みかかりICレコーダーを破壊、恫喝したとスクープされている。これに関し清原は「僕も初めて病気で入院して、気が滅入っているときだった」と説明。度重なる報道に「(糖尿病の)治療を止めて、ゆるやかな自決をしようとまで思っていた」そうだ。
それ以降仕事も激減、メディアに現れなかったからだろうか、ついには“死亡説”まで流れてしまった清原。普段めったに連絡が来ない父親から急に電話があり「お前が死んだって取材が来たぞ」と報告されたこともあったという。
かつてない苦境に立たされてしまった清原だが、吉田氏曰く今は持ち直し元気な姿を見せているという。今年の活動に関しては、まずは自分を見つめ直すために「衣装もそろったので四国の巡礼をしようかと」考えているそうだ(清原の体型に合う衣装がなかったため用意に時間がかかったそう)。手術したひざの影響でもうスポーツ選手としては復帰できないと語っているが、「自分を信じて待ってくれた人に恩返しをしたい」と前向きに未来を見据え始めている清原、また再びファンの前に元気な姿を見せてもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)