脳内修造とは、自分の頭の中に松岡修造がいるかのようにイメージして「お前ならまだ頑張れる!」といった熱い言葉をかけてもらうことらしい。他にも脳内マツコや脳内有吉から叱咤激励してもらう人が増えている現象について、トークバラエティ番組『マツコ&有吉の怒り新党』で取り上げた。マツコや有吉も最終的には「ギャグでしょ」、「乗れない」と突き放したが、実は「○○を召喚する」イメージによってやる気につながるケースも少なくないようだ。
一時期、脳内メーカーというウェブサービスが流行ったが、今どきは自分で脳内○○をイメージする人が増えている。2月18日放送の『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)に視聴者から「最近、巷では脳内マツコ、脳内有吉が流行っているみたいです」 とのメールが寄せられた。脳内にマツコ・デラックスが現れて「アンタ、いつまでコタツで腐ってんのよ! 部屋が散らかってる女なんか誰も嫁にもらってくれないよ…さっさと片付けなさい」と言ったり、有吉弘行が「うるせえ! 反省しろ、バカッ!」と叱るというものだ。
有吉弘行は「自分だったら、脳内寂聴さんが“頑張んなさい”って言ってくれたとしても、頑張ろうとは思えない」と瀬戸内寂聴さんを想定しながらも効果を疑った。マツコ・デラックスは「親はちょっと思う時がある。“おふくろが見てたら…なんか言われるんだろうな”と思うときはある」と脳内かあちゃんを実感する。
また、夏目三久アナウンサーから2011年頃に妊婦さんがツイートした「“まだまだこんな痛みじゃ足りないよ!”“赤ちゃんに産みたいって気持ち伝えて!”“よし、今いい陣痛来たよ! その調子、その調子!”などと言われ、旦那より脳内修造に助けられた」とのつぶやきが、脳内修造の始まりではないかとの情報が伝えられた。
脳内○○の意味は理解したものの、マツコや有吉も「所詮後付けのギャグで、流行っているとは言えない。これに乗ったら恥をかくのはこっちだ」と受け付けなかった。
しかし流行っているとまでは言い切れないが、ネットで話題になったことは事実である。今年の1月、質問サイトに次のような書き込みがあった。「脳内マツコ、脳内有吉、脳内修造などを脳内に召喚する皆様がいらっしゃるとのことですが、皆様は脳内に誰を召喚しますか?」との質問で、『遊戯王』や『妖怪ウォッチ』でも使われる“召喚”という言葉によってよりイメージが膨らむようだ。
これに対して、「そんなのあるんだ。私はやる気が全然ないので修造がいい」、「3人の中なら修造が一番召喚してますね」と反応があり、やはり松岡修造の人気が高い。他には「狩野英孝かな。あれだけ自惚れられたら怖いものない気がする」、「脳内マザーテレサ」などの発想もあった。
思えば脳内○○とは名づけないまでも、尊敬する人物などをイメージしてやる気を出す経験は誰しもあるのではないだろうか。子ども時代にはウルトラマンや仮面ライダーなどのヒーローだったり、大人になれば坂本龍馬や織田信長など歴史上の英雄から励まされることもありそうだ。あるいは、アスリートのイチロー選手や葛西紀明選手、浅田真央選手だったりもするだろう。召喚することで脳内真央ちゃんを身近にイメージできるのが、脳内○○のおもしろさかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)