子供たちはこんな冷酷な女を母親として純粋に慕い、帰りをひたすら待ち続けた。何ともやるせない育児放棄事件がイギリスで波紋を広げている。出会い系サイトで知り合った男性と海外旅行を楽しむため、そのシングルマザーは6人の子を自宅に放置して出発したのである。

このほど英国のバーミンガム・クラウン裁判所はあるシングルマザー（未来ある子供たちを慮り、名前は伏せられている）に対し、長期間の育児放棄により児童虐待防止法に違反したとして、6か月の執行猶予つき有罪判決を言い渡した。殴る蹴るといった暴力的行為はなく子供たちも幸い無事であったが、その育児放棄は子供たちの生命・身体に危険をおよぼす可能性が高かったため、虐待に等しいとみなされた。

6人の子がおり、さらにお腹には新たな命を宿していた母親が子供たちを放置して海外に出かけたのは今年1月1日のこと。妊娠中でありながら出会い系サイトで知り合ったある男性に夢中になり、6週間ものオーストラリア旅行に臨んだのであった。子供たちはその間自宅で留守番となったが、16歳の長男には「ちょっと買い物へ」と嘘をついてロンドン・ヒースロー空港に向かったと英『BBC』が伝えている。

その長男は下の5人の子の面倒をみようとしたが、一番幼い子はまだ3歳と手がかかり、「お母さんが帰ってこない」とまずは祖父母に電話。彼らが警察に通報した次第である。警察はすぐさま児童保護当局と連携して子供たちを保護。その後、祖父母が自宅に引き取り面倒を見た。警察は母親がオーストラリアに滞在していることを突き止め、連絡してすぐに帰国するよう求めるも、返事は「代金も支払い済みだし、まだ帰りたくない」とあっけらかんとしたもので、2月20日まで帰国しなかったという。

※　画像はイメージです。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）