少し前の話だが、パキスタンのパンジャーブ州で生後9か月という男の赤ちゃんに対し、殺人事件に加担した容疑がかけられ逮捕および訴追となり、世界中の人権擁護団体を激怒させた。このたびはインドから“3歳女児を逮捕”という呆れたニュースが飛び込んできた。

この世の中のどこに武装して強盗を働く3歳児などいるものか。しかしインドのウッタルプラデーシュ州の警察官は、ある強盗事件について3歳の女の子の逮捕状を取り、26日には手錠とともにその子が家族と暮らす家に向かったのであった。「インド警察もなんと情けないことを」と言わざるを得ないこの逮捕劇。しかし、未成年の被疑者であることから少女を仮名で“Guddi”と呼び、警察当局は「事情はもう少し複雑だ」と説明している。

家族は玄関に現れた警察官らに対し、断固立ちはだかり、Guddiちゃんがそのような事件に関与していないと主張（画像はtelegraph.co.ukのスクリーンショット）。それが非常識極まりない誤認逮捕であることを懸命に説得し、やっと「平和と治安を乱す反対分子」なる訴状を取り下げさせたが、「今回が初めてではない。2歳の時にも娘は逮捕されそうになり、訴状を取り下げてもらうまでに2か月もかかりました」と怒り心頭だ。

一方でこのたびの件について警察当局は、「一家は近隣に暮らす家族と長年仲たがいしています。Guddiちゃんを犯人に見立てた強盗事件は、その家のでっち上げ通報でした。実はGuddiちゃんの両親も同様にその家についてニセの通報を行ったことがあり、男性たちが働きに出た後で女性たちが衝突を繰り返しているようです」と両家を非難。典型的な村社会ならではの陰湿な “事件”であったとまとめた。Guddiちゃんの両親および通報者からその後のコメントはないもようだ。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）