ジュリアス・マレマ元ANC青年同盟総裁が設立した左翼新党、経済的解放の闘士(EFF)が国会をにぎわせている。マレマ議員は国民議会議長の指示に背き、退場させられたのだ。
ジュリアス・マレマ議員は、経済的解放の闘士(EFF)のシンボルカラーである赤いつなぎを着て国会に臨んだ。
6月18日の国会では、ズマ大統領が白人を怖がっていると批判。続けて、白人は南アフリカ先住民族の言語を学ぼうとすらしないと持論を展開した。すると白人の議員が「では、なぜあなたは『白人の英語』ではなく自分の母語で話さないのか?」と質問。これにマレマ議員は「人種差別の質問に答える時間はない」と一蹴した。
さらに、マレマ議員は「政府は虐殺を計画的に行った」と強く主張。2012年にマリカナ鉱山でのストライキで、鉱山労働者に向けて警察官が発砲し34名の死者を出した事件を「与党ANCの虐殺だ」というのが、EFFの見解である。そして翌19日、マレマ議員は「警察が犯罪を減らすと“ANCがやった”と言うのに、警察が人を殺すと“ANCがやった”とは言わない。これは矛盾している」と叫んだ。議長が『虐殺』という発言を撤回するよう2度警告したが、マレマ議員は拒否したために退場させられた。
マレマ議員と赤系の服を着たEFF党員は席を立ったが、数名が自席のマイクをオンにして「ANCは人殺し!」などとののしってその場を後にした。
マレマ議員の指摘したANCがマリカナ鉱山労働者を殺害したという点は、的を射ていると評価する声は多いものの、EFFの横暴な態度は受け入れられていないのが現状だ。
※ 画像はiol.co.zaのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)