エンタがビタミン

writer : tora

【エンタがビタミン♪】ダウンタウンに“タレント本”の魅力を説いた吉田豪。松本は「理にかなっている」

ダウンタウンのバラエティ番組に、吉田豪が登場した。吉田はプロ書評家としての一面を見せて“タレント本”に関する興味深い説を唱えた。

4月30日放送の『水曜日のダウンタウン』に、ゲスト出演したプロインタビュアーの吉田豪。書評家としても活躍する吉田は、「タレント本出すと危険説」を番組の中で提唱した。書庫に約4000冊ものタレント本が収められているという彼は、自身の説を裏付けすべくタレント本を“ダイエット本”や“財テク本”などのジャンルに分けて紹介していった。

そのひとつ、「松本人志の本」が本人を前にして取り上げられた。吉田は松本の自著『遺書』の一節から、「結婚することで何か得するの?」や「映画は撮らない」といった部分を引用する。現在は既婚者である上に映画監督もしている松本人志は、過去の自分との違いを終始笑いながら聞いていた。そして、「だから逆に基本(的な考えは昔から)変わってないんですよ。『オレ(松本は)こうだろう』って皆が決めつけた逆を(自分は)行きたい。そういう意味では理にかなっている」との感想を漏らしていた。

この日の放送を受けて、松本が出した2冊の本(『遺書』と『松本』)が1冊の文庫本となった『「松本」の「遺書」』(1997年、朝日文庫)を読み返してみた。すると年月が経ったからこそ、より一層楽しめる部分が多々あったのだ。たとえば、“今田耕司”と“東野幸治”の2人の名前を挙げ「あいつらといると、いついかなるときでも、お笑い筋肉が鍛えられているのだ」と絶賛している。それは松本がコメンテーターを務める番組『ワイドナショー』で東野が司会を担当していることや、『一人ごっつ』シリーズで松本が実践した“視聴者参加型大喜利”の流れを継承しつつ新たな魅力も加わった『着信御礼!ケータイ大喜利』のMCを今田が行っている現状を踏まえて読むと、より深いものとなるだろう。さらに松本は「あとがたり」の中で次のようなコメントを残していた。

「ぼくの言うところの勝ち負けは、全部発想ですね。発想さえ勝っていたら、もう勝っているんですよ。笑いは発想やと思うんです。」

その言葉通りに、松本人志はひとつのお題に対して数多くの答えが存在する魅力を持つ「大喜利」に早い段階から注目してきた。そんな松本は現在「大会チェアマン」という立場から、芸人たちの発想力を競わせる大喜利番組『IPPONグランプリ』に携わっている。

このように同じ内容でも読む時期によって、全く違った意味に解釈できるのが“タレント本”の醍醐味だといえるだろう。そういった読みの面白さを、吉田はこの日の放送で語り尽くしてくれたのだった。
(TechinsightJapan編集部 TORA)