EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】排出ガスの汚染物質を除去する「光触媒ポスター」。英科学者が開発。

ヨーロッパ各都市とも相変わらずの車社会で、排出ガスによる大気汚染は深刻さを増すばかり。その救世主となるのであろうか。英国で今、排出ガスの汚染物質を除去するハイテク素材を使用した巨大ポスターが開発され、話題をさらっている。

「もしもこの巨大ポスターが街のあちこちでビルの壁一面に貼られるようになれば、あたりの空気はグンときれいになります」と語るのは、サウス・ヨークシャー州の「シェフィールド大学」で教鞭をとるトニー・ライアン教授。これを開発した科学博士である。ポスターの表面素材に「二酸化チタン(TiO2)」の粒子を使用したことにより、太陽光を受けると威力を発揮し、車の排出ガスに含まれる窒素酸化物を除去してくれると説明する。

この画像は英メディア『mirror.co.uk』が伝えたその記事のスクリーンショット。同大学のビルの壁面を利用し、さっそく1枚目がお披露目となった。10m×20m、面積200平方メートルのこのポスター1枚で、1日あたり20台分の車の排出ガスに対応できるそうだ。それなりの経費がかかるが、「スポンサーを探して広告ポスターにすればよい」とライアン教授。同サイトがウェブアンケートを行ったところ、「街の至る所にこのポスターを」に90%以上がYESと回答しており、早くも量産に期待がかかっているもよう。蔦のからまるブリックタイル造りの建物が美しい英国だが、もはやそのようなことは言っていられないのだ。

二酸化チタンを含む酸化チタンは、従来は食品や化粧品などに白い着色料として使用されていたが、最近では光触媒物質として有名。脱臭フィルターや空気清浄機などに使用され、光が当たることで表面に付いた汚れや曇りを分解させる力があることから、「光触媒セルフクリーニングを施した窓」も建築業界の新たな目玉商品となっている。また衛生のため酸化チタンで壁や床をコーティングし、紫外線ライトと併用して殺菌やウイルス除去を図っている病院も多い。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)