自動車の排気ガスが原因となる大気汚染をどうにか抑えようと、様々な取り組みを導入している仏パリで、このほど幹線道路の最高速度が軒並み下げられたことが伝えられている。
「微小粒子状物質」といえば現在では中国のPM2.5が有名だが、自動車の排気ガスが大きな原因となっているPM10も、ロサンゼルスをはじめ世界の大都市でその大気汚染レベルが深刻な問題となっている。WHOが脱車社会への真剣な取り組みを世界各都市に呼びかける中、フランスのパリではこのほど幹線道路の最高速度制限がぐんと下げられた。
移動の手段として、自転車や鉄道の利用がますます盛んになっているヨーロッパ。特にパリの人々の地球環境保全の意識は高く、ナンバープレートの番号ごとに個人が車を運転してよい曜日が設定されている。この画像は英BBCが紹介した記事のスクリーンショットだが、パリでは今、これまで最高速度制限が70km/hとされていた道路が軒並み60km/h以下へと規制されているという。また14日から3日間パリの公共交通機関がすべて無料となるなど、人々の車離れを促そうとパリ市も必死。こうした試行を経てどれほど大気汚染が改善されるものか、PM10の数値の変化を確かめながら、各道路の今後の最高速度制限については17日に改めて発表したいとしている。
パリに限らず、駐車料金が割高なヨーロッパの大都市ではマイカーを持たずに公営のカーシェアリング制度を利用する人々が大変増えている。またアメリカの高速道路では、通勤時間の渋滞緩和として運転手1人だけという車に課金したり、公害対策としてカープール車(2~3人が乗車)には最も高速走行が可能なエクスプレスレーンの利用が許される。世界各国のこうした取り組みから学ぶものは非常に多い。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)