お笑い芸人の小籔千豊が、爆笑問題のラジオ番組にゲストとして登場した。吉本新喜劇の最年少座長という経歴からは、着実に実績を積んできた印象を受ける小籔だが、その道のりは決して順風満帆なものではなかったという。
5月25日に放送されたラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』のトークコーナー“ここは赤坂応接間”に、お笑い芸人の小籔千豊が出演した。コーナーの冒頭で、ゲストが「一番好きな曲」をBGMにしてプロフィールを紹介する場面があるが、小籔は中島みゆきの『時代』を選曲した。
この曲を選んだ理由を、「人の歌で涙することはないんですけど、『時代』を聴いて涙を2粒ポタポタと流したことがある」からと明かした小籔は、「吉本新喜劇」に入団したての頃の“下積み時代”の思い出を話し始めた。
コンビ「ビリジアン」を解散し2001年に新喜劇入団を果たした小籔は、その年に「9年付き合っていた彼女」とめでたく結婚した。しかし「一番下っ端」からのスタートであるため劇中のセリフは少なく、当然収入も安定していなかったそうだ。そのため、アルバイトをしつつ新喜劇に出ていた当時は「小遣い1週間1000円で何とか過ごす」ような生活であった。
気合を入れてNGK(なんばグランド花月)へと向かうも、劇中のセリフが「ありがとう」の一言だけという時もあり「いつ(になったら)オモロいと認めてくれるんや」との思いを抱えながら、つらい日々を送っていたそうだ。そんなある日の朝、NGKに向かう道中にお店で流れていた中島みゆきの『時代』が小籔の耳に入ってきた。
『時代』の歌詞にある「あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ」との一節を聴き、感極まった小籔は「中島みゆき、ホンマか?」と心の中で問いかけながら、ポタポタと涙を流したという。この話を聞いた爆笑問題の太田光が「そこからもう、破竹の勢いでね」と話すと、田中裕二も「そうだよね、そこからスゴイよね」と現在の小籔の活躍ぶりを絶賛した。
太田と田中の言葉に、小籔は冗談交じりに「(新喜劇に入ってから)最初の2年は、ホントにアルバイトして嫁さんにも(あんまり)お金渡せなかったんですけど、今は死ぬほどお金持ってますんで大丈夫です」と切り返し、スタジオの爆笑を誘っていた。
その“鋭い視点”と“巧みな話術”で情報番組『ノンストップ!』のコメンテーターを務める傍ら、2008年からは野外音楽フェス『コヤブソニック』を企画するなど、マルチな才能を発揮し活躍する小籔。そんな小籔にも今だからこそ「笑って話せる」下積み時代の苦労があったのだ。
※画像は『twitter.com/koyabukazutoyo』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 TORA)