南アフリカの国会開催初日であった2月13日。ズマ大統領の国民演説、いわゆるSONA(State of the Nation Address)が午後7時から行われるため、多くの国会議員がケープタウンに集結した。
何がそうさせるのかはわからないが、毎年この日はレッドカーペットが敷かれた道を国会議員たちが着飾って歩く。レッドカーペットの脇には、一般客とメディアが国会議員を一目見ようと集まっている。まるでアカデミー賞のような華やかさなのだが、なにぶん美ではなく政治を司る人々なので、ちぐはぐ感がある。
いつもは毅然と与党を追及する、野党DAのマジブコ議員もこの日ばかりは女性らしさを大いにアピール(写真左)。ケープタウンのデザイナーによるシルバーサテンのプリンセスドレスを着てしなやかに登場した。時々吹く強風でスカートが膨らむのを抑えながら歩いている。ただ、ボリュームはかなりなものだ。
同じく大きめのサイズで登場したのが、芸術文化ポートフォリオ委員サンドゥーザ会長。自身がデザインしたという黄色い布を巻き付けただけのようなドレスは、妊婦のようなおなかを強調させただけであった。
与党DAのヘレン・ツィレ党首はカーキグリーンのロングドレスで登場。スリーブにビーズをふんだんにあしらいエレガントだ。横に立つ夫はグレーのスーツにツィレ党首と同じカーキグリーンのネクタイを合わせている。
そしていつもは冷静に政府の悪事を暴く才女のマドンセラ議員も、普段のダークスーツではなく非常にフェミニンなカナリアイエローのレース仕立てのドレスで登場(写真右)。プレトリアのデザイナーによるドレスで非常に美しい。
ズマ大統領の夫人の一人も、シングルスリーブのドレープが美しい赤いドレスで人目を引く美貌を見せていた。しかし同じ夫人でもズマ大統領と同じ顔をした第一夫人は、落ち着いた色のスーツドレスで大統領とともに国会に登場。華やかさはゼロである。
喪に服しているのか、故マンデラ元大統領の元夫人ウィニー・マンデラさんは黒い裾の広がったアフリカンドレスに黒いスカーフを頭に巻いて静かに入場した。
他にも伝統的な南アフリカの衣装をまとった故ネルソン・マンデラ氏の孫夫婦、インドのサリーをまとった与党ANC女性議員、南アフリカの国旗をトップにあしらった議員カップルなども見られ、年に一度のお披露目を楽しんでいた。
※ 画像はdailymaverick.co.zaのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)