「あの女優のような目にして」。「あのモデルさんの唇を私にも」。美容整形外科医のもとには日々キレイになりたい女性が集まり、こんな要望を突きつけてくる。だがベネズエラの女性は少し違った。「マネキン人形のようにして」と注文するそうだ。
ベネズエラでこのほど、ある美容整形外科医のもとにモデルがやってきて豊胸手術を依頼した。しかし英紙『デイリー・ミラー』電子版が伝えているところによれば、彼女はそれと同時にウエストと脚を細くして欲しいと望んでいる。「マネキン人形のようになりたい」と話す彼女のバストには、結局かなりの量の詰め物が必要になったという。
だがこのモデルばかりではない。今のベネズエラでは、美容整形外科医のもとを訪ねて真剣に「マネキンのボディラインが理想」と語る女性たちがあとを絶たないそうだ。これに関してバレンシアでマネキン人形を製造しているエリエゼル・アルヴァレスさんは、「この国では女性たちが気軽に美容整形手術に挑戦しています。私のビジネスも単純明快で、そんな女性たちの美への憧れに支えられているんですよ」と語る。これを裏付けるように、ジョルジアナ・オスナさん(23)は「マネキンを見ていると、こんなパーフェクトボディが欲しいとつい思ってしまう」と話す。マネキン崇拝者の彼女は豊胸手術を過去に受けていたが、サイズに満足できなくなり、最近もっと大きなインプラントに替えてもらったそうだ。
ショッピングの最中に、目に留まるマネキン人形。長年見ていると、そのボディラインが現実の女性のものとはあまりにもかけ離れていることを忘れてしまうのであろうか。だが今のベネズエラでは、所得の低い女性までもが何とかして美容整形手術を受けようとあらゆる手段を講じているそうだ。こうなると、質の劣悪な手術やニセ美容整形外科医が巷にはびこる可能性を心配しなければならない。そのため、マネキンのあり得ないほど強調された凹凸のラインが女性に必要以上のプレッシャーを与えていることを、「大きな問題だ」と指摘する人は多い。
※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)