“エロ変なオバチャン”を自称し、漫画家・楳図かずおを崇拝する作家の岩井志麻子(48)が、「題名を聞いただけで泣けてくる」作品の一つはアニメ『フランダースの犬』だという。トーク番組などで強烈なキャラクターを発揮している岩井とはどうも結びつかないが、『フランダースの犬』を見て涙を流す理由は悲しいからではないと説明する。
11月28日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)の中で「涙活(るいかつ)」の話題から、「こんな私でもどうやっても何度繰り返しても、泣いてしまうものがあるんですよ」と岩井志麻子はしんみりと語り出した。
最初に岩井があげたのは、松本清張の長編推理小説が原作の映画『砂の器』。病棟で息子の写真を見せられ、「そんな人知らねぇ!」と秀夫(和賀英良)の父が叫ぶ場面や、親子の巡礼シーン。「もう、映画音楽だけでも泣けてくる」とまで話す。次は東京オリンピックのマラソン銅メダリスト、円谷幸吉さんが自ら命を断った時の遺書である。文言を読んでも大泣きするのだが、円谷さんの名前を聞いただけでも涙が出てくるそうだ。
これらで流すのは“悲しみ”の涙だが、アニメ『フランダースの犬』は“悔し泣き”だと岩井は声を荒らげる。「ネロはあんな良い子なのに、おじいちゃんが死んで、犬も死ぬ。(コンクールに応募した)絵は落選するし、泥棒の犯人にまでされる」と怒り心頭だ。アニメの最後は憧れのルーベンスの絵を前にして力尽きたネロとパトラッシュを、天使たちが迎えに来る有名な場面である。ここで彼女は、「何も良いことが無かったじゃないの!」という怒りと悔しさで泣けてくるというのだ。
彼女のあまりの力の入れように「のめり込み過ぎでは…」と、たじろぐMCのふかわりょう。ネロたちが天使に抱えられて召天するシーンを悲劇だと感じることを、「私が異教徒だから理解できないのかな」と岩井は最後まで憮然とした様子であった。
(TechinsightJapan編集部 みやび)