エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】SHOW-YA、“アイドルバンド”時代を語る。「お前たちはロックバンドじゃない」と言われた。

ロックバンド・SHOW-YAが、11月2日と3日に開校する『ロックの学園2013』に出演する。日本のガールズロックバンドの先駆けとしてメジャーデビューしてから28年。解散を経験しながらも2005年に再結成を果たした彼女たちが、NHK『スタジオパークからこんにちは』に出演して『ロックの学園』に向けての抱負やデビュー時の苦悩を語った。

SHOW-YAがメジャーデビューシングル「素敵にダンシング(Coke Is It)」を出した1985年は、まだ日本で女性のロックバンドという存在が認知されなかった時代だ。彼女たちの所属事務所やレコード会社も、SHOW-YAをどう売り出すか迷いながらのデビューだった。10月28日の『スタジオパークからこんにちは』で、彼女たちはSHOW-YAがデビューした頃にNHK『レッツゴーヤング』で演奏した場面を見ながら恥ずかしそうに笑っていた。

寺田恵子は「まだ迷っていた時期なので、清楚に見えるようにと白い衣装を着せられた」と当時を振り返る。彼女も黒髪のロングヘアーで、アイドルのようなルックスだった。その頃のSHOW-YAは、男性ミュージシャンから「お前たちはロックバンドじゃない!」とにらまれ、アイドル歌手からは「私たちとは違う」と避けられたそうだ。

やがて1989年に「自分たちでやりたいことをやろう」と、ハードロックで勝負することを決意して出した8枚目のシングル「限界LOVERS」が大ヒットする。音楽番組への出演も増え、世間にガールズバンドでも迫力のあるロックができることを見せつけた。「SHOW-YAのテクニックは凄い!」と言われるようになり、「プロとしてしっかりやりたい」と考えた彼女たちは多いときには週に6日、朝から晩までスタジオで練習をしていたという。

SHOW-YAに続きプリンセス プリンセスの人気が出た頃、ガールズバンドブームが起きた。「アマチュアバンドコンテストに女性バンドだけで3千通も応募があった」と寺田たちは証言する。「次の世代につなげて欲しかった、“頑張れ!”と応援しましたね」と彼女たちはその頃を思い出していた。男性ミュージシャンも「君たちがテレビでやってくれたので、自分たちもテレビに出られるようになった」と彼女らの功績を認めるようになったのだ。

今回の『ロックの学園2013』にはそのSHOW-YAが初めて出演して、寺田恵子は講師も務める。伊藤雄彦アナウンサーが共演者にゴールデンボンバー乃木坂46LoVendoЯなど若手が多いことに触れたが、SHOW-YAが再結成してからは若手ミュージシャンと演奏する機会が増えたそうだ。ドラムスの角田美喜は「若い人たちとコラボして、ロックを伝えるのは楽しみ」と話していた。

現在、平均年齢50.4歳のSHOW-YA。直面しているのが、体力の衰えだ。しかしそれを克服するために加圧トレーニングやボクシング、ウォーキングなどそれぞれに努力しており、そのおかげで「体力面やパワーは今の方がある。昔よりもさらに凄いライブをやっている」と自信を見せる。彼女たちは今でもロックに打ち込んでいることについて、「それをやっているのが普通だから。選ばれし者だからSHOW-YAがあるのかもしれない」と語った。

視聴者から「バンドを長続きさせるには?」との質問を受けて、寺田は「相手を思いやれること。自分と違う人格だとわかった上で話をしないと絶対にうまくいかないと思う」と答えた。寺田が「自分のわがままで辞めた」ことで解散したSHOW-YAを、また彼女自身がメンバーを説得して再結成するのに5年を要している。その彼女の言葉だけに実感がこもっていた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)