エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】宮崎駿監督のそばで…ジブリ新作『風立ちぬ』の試写会で涙する中田敦彦が話題に。

スタジオジブリの長編アニメ映画『風立ちぬ』の完成披露試写会で、宮崎駿監督の近くに座る人物が「お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦ではないか」とネット上で話題になっている。試写会を見終えて「自分の作った映画で泣いたのは初めてです」と話す宮崎監督の姿が、テレビでも報道された。確かに鑑賞中の宮崎監督の目から涙がこぼれたように見えたのだが、それと共にそばの席で何度も涙を拭う男性に注目が集まった。

アニメ映画『風立ちぬ』の完成披露試写会は、6月に都内小金井市のスタジオジブリで行われた。上映が終わると、宮崎駿監督は観覧席から「ふふふ」と苦笑しながら前に進み出て、「どうもお疲れ様でした」とあいさつ。そして涙をこらえながら「恥ずかしいんですけど、自分の作った映画で泣いたのは初めてです」と明かしたのである。

その感動的な映像が芸能ニュースやバラエティ番組で放映されたことにより、鑑賞している宮崎監督のそばに座っている人物も何度も流れることとなった。その彼の正体について「涙ぐんでいるのオリラジの中田? 声優出演したのかな?」、「なんでオリラジあっちゃんがジブリ映画の試写会にいるの?」とネットでも話題になっている。

主体はあくまでジブリ作品と宮崎駿監督ということもあってか、メディアでは“監督のそばで涙する中田敦彦”については触れられていない。実は中田は映画『風立ちぬ』に、少なからず貢献している。その縁で完成披露試写会に、しかも宮崎監督の近くの席へ招待されたようだ。

それはNHKの番組『仕事ハッケン伝』でのことだった。スタジオジブリの仕事に挑戦した中田敦彦は、天才プロデューサー鈴木敏夫氏のもとで働く。中田は鈴木氏から『風立ちぬ』の全国紙一面広告のデザインとコピーを依頼されると、慶應義塾大卒のインテリ芸人として本領を発揮するのだ。

いきなりシナリオに目を通せといわれた中田は、一心不乱に熟読しながらノートに膨大なメモを取り出した。彼のメモを見たジブリスタッフたちは、「凄い!」とその才能とエネルギーに感動したほどだ。「データはとりましたからね。そろそろクリエイトしていかないと」と張り切る中田だったが、鈴木氏からは細かいダメ出しが続いた。

それでもめげずに鈴木氏の言葉を参考にして、中田は苦心の末に100個あまりのコピー案を作った。鈴木氏もその案を見て中田の努力を高く評価する。中でも「人間・宮崎駿」という発想は無かったと感心するのだ。

翌日、中田の発想をヒントにして鈴木氏は「人間・宮崎駿、72歳の覚悟」というコピーを完成させたのである。自分のアイデアが織り込まれたことに中田も感激した。番組のミッションを終えると宮崎駿監督も姿を現し、中田のコピーが書かれた色紙に“宮崎駿・鈴木敏夫・中田敦彦”が連名で署名したのである。

中田敦彦はジブリの仕事を体験したことについて、「本当に良い試合だったなぁ。全力で向かって良かった」とコメントしている。彼は鈴木氏に真っ向勝負を挑んで教わったことを、「僕は全体重をのっけて鈴木さんの答えを狙っていて、そこに対し鈴木さんからのクロスカウンター」とボクシングにたとえながら、「名勝負ですよ。僕の頭ふっとんでますもん」と笑っていた。

そんな彼の頑張りを鈴木氏や宮崎監督が認めたことは、『風立ちぬ』完成披露試写会に招待されて、2人に極めて近い座席に座ったことからも分かる。

そうやって中田敦彦も関わったジブリの新作『風立ちぬ』は、7月20日から全国公開が始まった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)