アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】ネルソン・マンデラ元大統領の最新映像に国民が怒りのツイート。(南ア)

ネルソン・マンデラ元大統領の最新映像がテレビに流れた。久しぶりにマンデラ氏の姿が見られるとあって国民は喜ぶはずだったが、映っていたマンデラ氏は明らかに健康とはかけ離れた姿。ズマ大統領の人気取りになるかと思われたこの映像は、逆に国民の怒りを買ってしまった。

ネルソン・マンデラ元大統領が公の場に姿を見せたのは2010年7月、ヨハネスブルグで行われたFIFAワールドカップの決勝の日だった。最新の映像が流れたのは、それから2年9か月後の2013年4月29日の夜のこと。ヨハネスブルグにあるマンデラ氏の自宅を訪れたズマ大統領らの様子が放送された。そして与党ANCは「マンデラ元大統領の健康状態は良好」と発表。だが放送終了後、ツイッターに怒りのつぶやきが多く飛び交ったのだ。

「マンデラが元気だなんて言うのはもうやめたほうがいい」、「政府は国民に平然とウソをついている」などといったコメントで埋め尽くされた。それというのもズマ大統領の横に座るマンデラ氏の様子は、誰が見ても体調がいいとは思えなかったからである。ズマ大統領が談笑しているのは副大統領などで、毛布を膝にかけて座っているマンデラ氏は微動だにせず無表情。カメラマンの撮影するフラッシュでじっと目を閉じている。マンデラ氏はアパルトヘイトで収監中に石灰採石場で何年も働かされていたために目が非常に弱っているというのは周知の事実だが、フラッシュは遠慮なくマンデラ氏を襲った。

テレビの取材に対してズマ大統領は「マンデラ元大統領と会話、握手を交わした。マンデラ氏は笑っていた」、「マンデラ氏は病床から出て安定した状態である」と述べているが、ツイッターでは「マンデラは首をズマのほうに向けることすらできなかったくせに、健康と言うな」、「国のためにあらゆることをしてくれた人になぜこんなひどい扱いをするのか」などと非難の嵐である。また、94歳の高齢であり入退院を繰り返すマンデラ氏に、国民の願いは静かに余生を過ごしてもらいたいだけで見世物のようにするのはかわいそうだという意見も多い。

今年に入って入退院を繰り返すマンデラ氏は、3月末にも肺感染症で9日間入院した。2010年7月に公の舞台に現れて以来、マンデラ氏はヨハネスブルグの自宅と生まれ育った東ケープ州のクヌ(Qunu)村にある自宅を行き来しながら療養していた。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)