ケープタウンの高校で女性教師への嫌がらせが起こった。生徒たちが若い教師をターゲットに髪に火を放ったのだ。これまでにも生徒たちから嫌がらせを受けていたこの教師は辞職を決めた。
被害にあった26歳の女性教師は、ケープタウンの高校でグレード8(中学2年生相当)の歴史と地理を教えていた。2月27日のこと、彼女が黒板の方を向いたとき突然、髪から煙が出た。1人の生徒がライターで火を放ったのだ。すぐに他の女子生徒らが火を消したため被害は最小限であったが、精神的なダメージはかなり大きなものだった。
女性教師は以前も生徒に腕をねじられたり、性的な発言を受けていた。彼女は学校の中で一番若いという理由だけで、男子生徒らのターゲットになってしまったのだ。その後、彼女は髪を燃やされた件を学校に報告、男子生徒は停学処分となった。また、暴行および権利侵害であるとして警察に訴え、警察は調査に乗り出すこととなった。
3月5日のケープタウンの新聞『ケープアーガス』によると、女性教師はうつ状態になり高校を辞め、戻る予定もないとのこと。理由のひとつには、校長が髪を燃やされたことなどの一連の訴えを無視していたことがあるそうだ。
南アフリカの学校は公立といえども政府からの補助金ですべてをまかなうことはできず、一部を学費で負担する。つまり公立すべてが同じ水準の学校とは言えず、学費が高いところほど教師の質も高く、教育のレベルや設備も整っている。この高校がある地区は低所得者の多いエリアで、学費負担も少なくしなければ生徒が通えない状況だった。被害を受けた女性教師は「生徒の質を高めたい」と意欲を燃やしていたという。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)