ミニバスの運転手を、警察官が警察車両に繋いで引きずり回すといった蛮行が明るみに出た。運転手は留置場へ入れられたがまもなく死亡した。警察官による乱暴な「職務」による被害者が増えている。
ショッキングな映像がニュースで流された。赤いTシャツを着たモザンビーク人のミニバス運転手(27)が、警察車両の後ろに手を縛られ引きずられている場面だ。後日、この運転手は留置場で死亡した。
事件は2月27日早朝、巨大タウンシップのソウェトの路上で起こった。警察の報告書によると、2人の警察官が巡回中に渋滞の原因と思われるミニバスタクシーを発見、サイレンを鳴らして車を動かすよう指示した。すると運転手は警察官に殴りかかり銃を奪った。もう1人の警察官が運転手から銃を奪い返し、応援の警察官を呼ぶ。他の警察官が駆けつけたときには、抵抗する運転手を警察車両に押し込んでいるところだった。その後警察署へ連行、数時間後に留置場で死亡している運転手が発見された。
勾留中に容疑者が死亡したことから独立警察捜査局(IPID)に報告され、その間不当な扱いがなかったかどうかを警察内部で調査することとなった。
一方で一般市民が撮影した、赤いTシャツを着た運転手が警察車両の後部に手を手錠で縛られてそのまま引きずられていく映像が流出した。これを受けて2月28日、リア・フィエガ国家警察長官は今回の事件を危惧すると発表している。初動捜査の検死では、運転手は頭部に傷を負って内出血を起こしていた。
また南アフリカのニュース『eNEWS』では、問題の警察官が「普段から暴力をふるう警察官」として悪評があったことを市民がインタビューで述べ、被害者の親戚は「こんなにむごい事件の被害者になるような人物ではない」と怒りをあらわにする。さらに過去に起こった警察官の不祥事として、ストライキでゴム弾を至近距離で発砲されて亡くなった教師や、鉱山労働者のストライキで実弾を発砲し34名が殺害された事件などを取り上げた。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)