ヨーロッパ各国で牛肉の商品に馬肉の混入が次々と発覚する中、南アフリカでも同様の事件が起こった。こちらは馬ではなく、ロバ、ヤギ、水牛などの混入が見つかっている。
2月26日、南アフリカの市場に出回っている食肉製品に虚偽があることが、ステレンボッシュ大学の科学者たちの研究によって明るみに出た。同大学畜産学教授らおよび食品アレルギー検査サービスによる発表は、国際食品管理ジャーナル誌にて掲載された。今回の調査ではDNA分子レベルでの技術を駆使、製品ラベルに表示されていない大豆やグルテンのような植物性食品の検査は、酵素結合免疫吸着検定法により探り出した。
調査対象はヨハネスブルグ、ダーバン、ケープタウンの市場に出回っている挽肉、バーガーのパテ、惣菜肉、ソーセージ、サラミなどの燻製肉139製品。そのうち68%にもあたる95製品に、表示にはない混入物が含まれていることが分かった。主にソーセージ、バーガーパテ、惣菜肉に多く見られた。
牛肉製品にはロバ、ヤギ、水牛などが混入しており製品ラベルの原材料に記載されていなかった。大豆やグルテンなどの植物性食品は139製品の28%に混入されていた。また豚肉や鶏肉にも被害があり、混入されていないはずの動物の肉が調査対象の豚肉37%、鶏肉23%から検出された。
「今回の結果は南アフリカの食肉供給機能に大きな問題を提唱した。消費者をこのような偽造商品から守る規制が一応あるとはいえ、さらに強制的な対策が必要である。消費者は正しいラベル表示すら信じなくなり、食肉産業だけでなく経済、倫理、宗教そしてもちろん健康に大きな影響を与えるだろう」とステレンボッシュ大学教授は述べている。
ちなみに隣接国のジンバブエでは2009年、食料不足で牛肉の代わりにロバの肉を推奨していたことがある。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)