プレトリアにあるブルックリン警察署には現在セレブが寝泊りしている。パラリンピックメダリストのオスカー・ピストリウス被告だ。裁判所で上質な黒のスーツに身を包んでいるが、憔悴しきっている彼の後ろには父、兄、妹が常に見守っている。両足義足でありながら世界を凌駕するスプリンターになったピストリウスの人生は、どうなるのであろうか。
恋人の殺害容疑で逮捕されたオスカー・ピストリウス(26)被告は現在、ブルックリン警察署で寝泊りしている。留置場では家族が手渡したブランケットなどを床に敷いて寝ているそうだ。そして時には他の犯罪者と部屋を共有しているとのこと。署長によると「何名と共有しているかは発言できないが、数名が収容されては(釈放または刑務所へ)出て行くという流れが常にある」と述べている。またピストリウスがどのような食事をしているかについても無回答。「言えることは、ピストリウス容疑者も規定通り、殺人罪で起訴されている他の人同様の扱いをしている」とだけ公表した。ちなみにそれぞれの部屋には、シャワーとトイレがひとつずつ完備されている。なお、ピストリウス被告には義足の使用を許されているそうだ。
ピストリウス被告の裁判は2月21日に3日目を迎えた。彼の供述によると14日早朝、トイレにいたリーバ・スティーンカンプさんを「強盗」だと思い、銃で4発トイレのドアを通して撃った。その後ベッドにいると思ったスティーンカンプさんがいないことに気づき、急いでトイレのドアをクリケットバットで叩き壊したところ、スティーンカンプさんが倒れていた。まだ息があった彼女を抱えて階下まで運んだが、被告の腕の中で息を引き取った。
裁判ではピストリウス被告が故意に撃ったか、誤って撃ったかが焦点となっている。検死結果ではスティーンカンプさんの膀胱が空であったので彼女自身が起床後にトイレに行ったと考えられ、たまたま目を覚ました被告が強盗と間違えた可能性もある。ピストリウス被告はかつて強盗被害にあった経験があり、バスルームの窓だけがバーグラーバーという泥棒の侵入を防ぐ安全柵がついていなかったことからも、恐怖心から撃ったのではないかとも言われている。ピストリウス被告の自宅から4つの携帯電話が発見されたが、どれも長い間使用された形跡がなかった。その後5つ目の携帯を発見したが、現在解析中とのことだ。
なお、これまでピストリアス被告の取り調べをしていた刑事が殺人未遂容疑で起訴されていることが発覚し、4日目からは南アフリカでもっとも敏腕と言われている刑事が裁判に現れることになる。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)