南アフリカの潜水艦のキャプテンがメッセージを空き瓶に入れて大西洋に投げた。そして2年2か月後、異国情緒あふれる場所へとロマンを求めたキャプテンの予想を超えて、空き瓶は意外なところで発見された。
南アフリカ海軍所有の潜水艦『SAS Charlotte Maxeke』のキャプテンは2年前の2010年11月27日、アルゼンチン主催の海軍の訓練でメッセージをワインの空き瓶に入れて海へ放とうと思い立った。訓練後の打ち上げで「ワインとビーフが有名」なアルゼンチンで開けたワインボトルを捨てずに取っておき、メッセージに乗組員らの写真を添えてビニール袋に入れ空き瓶に詰めた。アルゼンチンからの帰路、空き瓶を大西洋へ投げたとき、乗組員らはどうせ届かないとクスクス笑っていたそうだ。
そして2年2か月後の2013年1月12日、空き瓶は南アフリカのケープタウンのビーチで拾われた。発見したのはプリングルベイを歩いていた父と息子である。2人は当初、ガラクタだろうと思っていたものの瓶の中に何かが入っているのが見えたという。特に父親は1960年代に自身も空き瓶にメッセージを入れて海に放った経験があり、「メッセージの入った瓶を拾ったのは生まれてはじめて」と大興奮したらしい。
メッセージには、「これを見つけた人、こんにちは。初めての試みで結果はどうなるかわからない。壊れることなく何千マイルも旅をして無事に届くことを祈っています。私は南アフリカ潜水艦のキャプテンで、アルゼンチンそしてウルグアイでの訓練から戻る途中です。場所は南緯40度、西経8度」と記してあった。
瓶を拾った父親は、潜水艦の写真を見てプリングルベイ近くの海軍基地から流れてきたものと思ったが、手紙を読んで大西洋上からのものと知り驚いたという。
一方、やや残念そうなのは手紙の主のキャプテン。「ここからずっと遠くの異国情緒あふれる場所へ届くことを期待したが、2年以上かかって流れ着いたのは、自分が働いている海軍基地のすぐそばとは…」と語る。しかし2年以上もの間壊れることなく無事に旅をした空き瓶に敬意を表し、キャプテンが瓶を海に投げた写真や拾った父子の写真と共に潜水艦の史実保管場所においておくとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)