アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】娘とウシを引き換えに…少女を無理やり結婚させる慣習『ウクトゥワラ』。(南ア)

南アフリカでは、「ウクトゥワラ(ukuthwala)」と呼ばれる慣習がある。年端も行かない少女が結婚させられるという慣習だ。この慣習を利用した犯罪によって、ウクトゥワラはあるべき姿からかなりかけ離れたものとして認識されているそうだ。

11月17日、南アフリカ男女平等委員会の発表によると、クワズール・ナタール州のある地域で22人の少女がウクトゥワラの慣習に則り連れ去られ、強制的に結婚させられていたことがわかった。

13歳の少女のケースでは誘拐後、将来の夫から逃げ出さないようにと長い間木に縛られていたそうだ。また少女を「ドル箱(cash cows)」と呼んでいる親も少なくない。名前のとおり、少女と引き換えに現金やウシを手にすることが出来るからだ。

今回の厳密な調査で、男女平等委員会では「ウクトゥワラという伝統的慣習と犯罪を混同してはならない」と述べている。またこの委員会は、クワズール・ナタール州政府がウクトゥワラと称して少女たちを誘拐し結婚させているというデータを全く持っていないことに対して、「政府がウクトゥワラに関する統計を取っていないため、正確に何が起こっているかを指摘することは非常に難しい」と話した。

一方、伝統的指導者は「この慣習は文化的に見て容認されるべきだが、犯罪活動に利用されて堕落したものと見られてしまっている」と述べている。ウクトゥワラは、男性がある年齢に達した少女を連れ去ることに少女自身が同意して成り立つ慣習であり、もちろん親も同意の上での結婚であるという。それが誘拐の上に婚姻を強要するといった犯罪行為と同義にされてしまったのだ。「南アフリカは多民族国家であることを忘れてはならない。民主主義は必ずしも民族の個性を捨てることではない」と指導者は強調している。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)