エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「“絆”だ“愛”だというが…」。北野武と西田敏行が被災地の復興についてコメント。

映画『アウトレイジ ビヨンド』の北野武監督と、同作で北野映画に初出演した俳優の西田敏行がニュース番組でインタビューに応じた。映画の撮影が東日本大震災の影響で約1年延びた話題から、2人は震災後の復興や日本の状況について語った。

西田敏行は映画『アウトレイジ ビヨンド』への出演を北野武監督に直談判したことをテレビ『王様のブランチ』の中で明かしている。彼はビートたけしのものまねで知られるタレントの松村邦弘に依頼して“北野監督に会うシミュレーション”までやったというのだ。

NEWS ZERO』ではそんな2人にキャスターのホラン千秋がインタビューした内容を10月1日の放送で紹介した。西田敏行は北野映画に出演を熱望した理由を「文部科学省選定みたいな映画ばかりに出てきたから、どこまで悪役ができるか挑んでみたかった」と話す。北野監督は「いい人が悪役を演じたら、振り子みたいに同じ触れ幅になるから凄いよ」と西田の演技を高く評価していた。

映画『アウトレイジ ビヨンド』の制作が決まった直後に東日本大震災が起きたことから、撮影は1年近く延期となったのだ。そんな事態を振り返りながら西田敏行が震災後の被災地の現状について語った。福島出身の彼は被災地で開催されたライブに出演するなど積極的に支援活動を行っている。それだけに被災地の復興状況や人々の声を直に感じているのだ。

「福島の人にしてみれば震災から1年半が経つのに何も進んでいない感じ」と西田は語る。さらに彼は「レギュレーション(規則)というが決まりを守れば良いのか? 今は『考え方がバラバラ』になっている」と復興に向けて力がまとまっていない現状を指摘した。

北野監督は震災後の日本の状況について「イライラしているのはわかる。“絆”だ“愛”だというけれど何もできていないな」と語った。

西田敏行が話すように被災地にはまだ仮設住宅や避難所生活を続ける人々が大勢いるのだが、時間と共に話題にのぼることも少なくなっている。映画『アウトレイジ ビヨンド』に関するインタビューは多いが、おそらく被災地復興の話題に触れたのはホラン千秋だけだろう。こうして話題として取り上げることで復興への意識が高まるはずだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)