7月5日から南アフリカのケープタウンでは市の条例として、運転中の携帯電話使用に対する罰則を強化した。運転中に携帯電話を使用していた運転手から携帯電話を没収、携帯電話専用の「牢獄」に24時間「入獄」させるというものである。
7月5日午後3時から4時間、交通量の多いケープタウンの国道を含めた数か所で交通警察官らが携帯チェックを開始した。違うポイントでは歩道橋からビデオ撮影をし、携帯を利用している運転手を発見すると無線で覆面パトカーへ連絡、ただちに取り押さえるという南アフリカらしからぬ迅速な行動だ。
運転手は罰金を払う用紙をもらうと、個人情報が入っているSIMカードを抜き、携帯本体を警察に渡すことになる。警察は携帯を箱に入れると交通警察署へ持ち帰り、専用の「牢獄」へとしまう。携帯は24時間後に「釈放」される。ただし、金曜日に携帯を没収されると、土・日は警察が休日のため月曜日まで携帯を取り戻すことができない。
午後3時48分、警察官から止められた最初の運転手は女性。彼女は警察官からの説明にびっくりしていたが、そこにテレビのカメラマンがやってくるとさらに仰天。恥ずかしそうに終始うつむいていた。その後も次々と警察官に呼び止められる運転手たち。ある人は怒鳴り散らし、ある人は泣き、またある人は懇願する。
ケープタウンの中心地、1時間に1600台もの車が行き来する道路でも、携帯電話やショートメッセージを打っている運転手が42人もいた。またハンズフリーを利用している人が9人、食事または喫煙をしながらの運転手が47人いた。
ある市議会委員は「運転中の携帯電話使用による罰金対象者は毎月8000人以上いる。だが罰金だけでは運転手の態度は変わらない。今回の携帯没収条例が少しでも運転手の気持ちを引き締めてくれれば」と語っている。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)