以前、リビアのガダフィ大佐をはじめとする独裁者たちのCMが放送中止になったのをご記憶の方はいるだろうか。このたび、そのCMを作ったファストフード店がさらなる過激CMを作成した。南アフリカにいる外国人が次々に消えるという内容だ。
南アフリカで生まれたポルトガル料理ファストフード店『ナンドス(Nando’s)』。昨年12月、ガダフィ大佐、イラクのサダム・フセインなどが出てくるCMを放映したところ、ナンドスのスタッフが脅迫を受けるなどして放送中止となった。そんなナンドスが今度は南アフリカ国内にいる全ての外国人を消すという過激なCMを作成、放映した。
はじめに「全ての外国人たち…」とナレーションが入り、国境を越えて南アフリカへ入った黒人らが煙と共に消える。そして「元の場所へ帰りなさい」とコメント。さらに道を行くカメルーン人、コンゴ人、ソマリア人、ナイジェリア人、ケニア人などが煙と共に次々に消えていく。次は南アフリカを植民地化したアフリカーナー(オランダ系白人)、ヨーロッパ人、そして中国人、インド人などが消されていく。
最後に残ったのがブッシュマンのような格好をして、手に槍を持った南アフリカの先住民コイサン族の男性。彼は自分が消えていないことを確かめるとカメラに向かって「俺はどこにも行かない、俺たちがここにいたんだ」と告げ、背を向けて去っていった。
グリルチキンの新商品を紹介するCMなのだが、やはり波紋を呼んだ。南アフリカのテレビ局SABCが、これは外国人排斥問題にあたるとして放送を拒否。しかし、ナンドス側は「なんと言われようと、コイサン族以外の人種は南アフリカでは外国人だった」と主張している。このCMは南アフリカが多様な人種から成り立っている素晴らしさを表現すると共に、外国人排斥問題を投げかけているというのだ。
南アフリカではナイジェリア人やジンバブエ人などの移民が南アフリカ人を差し置き仕事を得ているという理由で、外国人の店を壊したり、殺害する事件が相次いでいる。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)