4月24日、生後3週間の赤ちゃんがソーシャルワーカーを装った女にさらわれた。ホームアフェアーズという、いわゆる市役所のような場所でのことだった。
ソーシャルワーカーを装った女は、母親(16歳)の家に行き、「生後3週間の赤ちゃんの児童手当を申請しよう」とホームアフェアーズへ連れて行った。ホームアフェアーズへ到着した2人と赤ちゃんだったが、女は16歳の母親に「児童手当をもらうには出生証明書が必要だ。出生証明書を取り寄せるために、子供の病院受診カードを家から持ってこないといけない」と言い出した。赤ちゃんはちゃんと見ているからと女に言われ、タクシー代を渡された母親は言われるままに1人自宅へと戻った。
その後、病院の受診カードを持ってホームアフェアーズへ戻ってきた母親は、そこで女と赤ちゃんがいないことに気付き、警察へ飛び込んだ。警察は、はじめにホームアフェアーズの監視カメラで女を特定しようとしたが、なんと全ての監視カメラが故障中で作動していなかった。仕方なく、女が利用していた携帯電話からその行方を追った。さらに住所を突き止めたが、そこには女の夫しかいなかった。夫の話によると、「(妻は)妊娠していたが、出産のため実家近くの病院へ行っている。今日赤ちゃんを連れて戻ってくる」とのことだった。
警察が女の実家へ行くと、タンスの奥に隠れている女を発見。女は赤ちゃんをしっかりと抱えていた。逮捕された女は、自分が流産したこと、流産を知らない夫が赤ちゃんを見たがっていたので仕方なく誘拐したことを自供した。
一方、新聞社が16歳の母親に取材したところ、彼女は逮捕された女と4月16日に病院で話し知り合ったそうだ。女は赤ちゃんが生後何週目か、赤ちゃんに兄弟や祖父母がいるのかなどを執拗に聞いてきたという。「自分は政府組織から派遣されていて、母親の食事や服、経済面などをサポートする仕事をしている」とうそぶき、こういった援助の認定資格があるか実態調査したいという名目で住所や電話番号を母親から聞き出していた。
4月25日、16歳の母親は生後3週間の小さな息子と対面、逮捕された女は誘拐の罪で裁かれることとなる。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)