エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「誰しも精神的なご褒美が必要」。作詞家、森浩美が考案した手帳“いいね365”への思い語る。

SMAPをはじめ数々のヒット曲の詞を手がける森浩美氏が、“いいね365”なるダイアリー手帳を考案した。ラジオ番組のインタビューを受けて彼がその手帳について話したが、日常の出来事や言葉への視点がきっかけとなった作詞家らしい発想から生まれたことがわかる内容だ。また、森氏がこの手帳に託す熱い思いも伝わってきた。

『ルールはひとつ“いいことを書き記す”』。“いいね365”にはそう書かれている。4月4日に放送されたラジオ「クロノス“SUZUKI BREAKFAST NEWS”」(TOKYO FM)では、そのダイアリー風手帳を考案した森浩美氏へのインタビュー内容を放送した。

森氏はSMAPの「青いイナズマ」など一連の楽曲の作詞家として知られるが、「Timing」(ブラックビスケッツ)や「Dance Beatは夜明けまで」(荻野目洋子)など数々のヒット曲に携わっており、ずいぶん前から彼の詞を耳にしているのだ。

その彼が今年の新しい形の手帳を考案。“いいね365”と名づけられた手帳は、毎日「自分が『楽しかったな、気持ち良かったな』と感じた良かったことだけを書き記すダイアリー」だという。

4年ほど前のことだ。森氏が年末に古い手帳を見ながら「今年はロクなことが無かったな」と思っている自分に気づいた。だがその時に「それは本当にそうだっただろうか?」と彼の中で疑問が生まれたのだ。

彼は翌年から2つの手帳を用意した。1つは従来のスケジュール帳で、1つは“良かったことを記す手帳”である。「風が気持ちよかった」とか「温泉に行った」などの自分が気持ち良いと思うことを書きとめていくと、1年後には手帳の3分の1が埋まったのである。

「人生の3分の1良いことがあれば、俺の人生もまんざら捨てたものではないな」そう思った時に、森氏は「気が楽になった」自分に驚いたのだ。

それから3年間その“良かったことを記す手帳”を続けていくうちに、彼は「普段見逃しそうな日々の小さな幸せに気づくようになった」という。それは子どもが生まれたばかりの頃に「天気がいいね。風が気持ちいいね」と語りかけた時の彼の気持ちに近かった。森氏は「今度はそれを自分自身に言う感じ」と話す。

「人間は意外と悪いことしか記憶に残らない」ことに気づいた彼は、自ら良いことを確認して「精神的なご褒美が増えていくことが誰しも必要だ」と手帳の意義を語った。

そうして完成した“いいね365”には工夫があり、ページの見開きごとに森氏や著名人66人の“前向きな言葉”が書かれているのだ。

『クロノス』のパーソナリティである中西哲生は、その中からコミュニケーションデザイナー中村豊氏の「人と人とは言葉でつながっている。あなたのひと言が誰かを笑顔に。誰かのひと言があなたを元気に。そんなバトンをつなげていきたいですね」を紹介した。

“いいね365”のサイトによると、今年の3月11日には“震災復興支援&「いいね365」出版記念パーティー”が開催され、Facebookなどで知った森氏の活動に共感する120名が集った。決して忘れることの無い3月11日に海に向けて黙祷。「ひとりひとりの“いいね”を持ち寄り、しあわせの輪を広げよう」と確認しあい、全員でSMAPの名曲「オリジナル スマイル」(歌詞は森浩美)を歌ったという。

人気タレントのベッキーは毎日“良いこと”をブログに残していることで知られる。彼女のポジティブな言動は誰もが知るところだろう。“いいね365”を持つことでブログに馴染みの無い人でもそれが気軽に始められる。その輪が広がり日本が前向きになることが、この手帳に託す森浩美氏の思いなのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)