結婚69年の91歳夫婦、9日違いで旅立つ「夫の最期、妻は手を握って離さず」…
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2010年4月に発生した殺人事件の裁判が現在行われている。若者らが雇い主を撲殺した事件なのだが、ここで南アフリカならではの問題が発生した。
南アフリカは英語、アフリカーンス語、コーサ語など計11言語が公用語といわれているが、小さい部族の言語を入れると無数にある。様々な言葉が行き交うこの国での裁判もまた一苦労なようだ。
2010年4月3日に北西州のベンタースドルプで、極右翼党首ユージン・テレブランシュ氏が使用人2名に殺害された。ワールドカップ直前の大事件として注目されていたが、今年の2月1日に行われた裁判で、問題となったのが言語だった。
使用人らが話す母語はツワナ語、そしてこの地域で裁判が行われる際に使用されている言語はアフリカーンス語だ。そのため、警察官がツワナ語からアフリカーンス語に通訳することとなった。しかし、殺害時の使用人とその母親の権利を主張する大事な場面で、通訳と真実とのずれが目立ってきた。警察官がなんとか通訳しているが、裁判所の通訳者が「それは(証言者の)言葉通りではない」という。
結局、被告の弁護士は中佐や被告、被告の母親らに殺害前後の状況が通訳どおりかを何度も確認するはめになった。通訳の警察官は、一部の供述が異なっている可能性があること、さらには裁判で通訳をするのが初めてであることを認めている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)