11日に急死した故ホイットニー・ヒューストン(享年48)だが、その死の2日前には報道陣の前で、数々の奇行を見せていたことが明らかになった。
ホイットニーが謎の死を遂げる2日前、彼女が滞在していたビバリー・ヒルトン・ホテルでは、12日の第54回グラミー賞授賞式に向け、関連イベントやパーティが次々と開かれていた。その中の一つ音楽プロデューサー、クライヴ・デイヴィス(79)主催のグラミー賞事前ガラパーティに向けては、開催の前々日の9日に参加アーティスト達の公開リハーサルが行われ、そこにホイットニーが「メンター」として登場していた。
公開リハーサルでは若手R&B歌手のブランディ(33)とモニカ(31)が、大先輩のホイットニーにヴォーカルのアドバイスを受ける様子を、報道陣が取材することになっていた。『ロサンゼルス・タイムズ』紙が伝えたところによると、その際ホイットニーはスマイルを浮かべて皆に挨拶をしていたそうだが、何故かだらしのないちぐはぐの服を着て、頭髪からは水か汗のようなしずくが垂れていたそうだ。
それだけでなく、ブランディやモニカと話す時に必要以上に手を激しく動かしたり、子供のようにスキップをしてみたりしていたというホイットニー。また、ホテルのプールのそばで逆立ちをしていて、セキュリティーに通報されていたのだという。
その後リハーサルは終了し、ホイットニーは一旦部屋に戻った。ブランディとモニカは会場に残りTVインタビューを受けていたが、その最中にホイットニーが1人娘のボビ・クリスティーナ・ブラウン(18)を従えて、そこに舞い戻って来たそう。その際、ホイットニーからはアルコールと煙草の臭いがぷんぷん漂っていた。その上彼女はTVカメラの脇でダンスをしてみせたりして、居合わせた人々を笑わせていたという。その場にいたグラミー賞の広報担当者は、取材中の記者達がホイットニーの奇行を記事にするのでは、と気が気ではなかったようだ。そこで娘のボビが母をその場から去るよう促すと、ホイットニーはまたスキップをして帰っていったそうである。
こうした数々の奇行のたった2日後、あっけなくこの世を去ってしまったホイットニー。薬物検査の結果が出ていないため、今なお死因は明らかになっていない。死の当日は、処方せん薬の過剰摂取後にバスタブの水の中で溺死したのではないか、という説が有力視されている中で、肺の中には溺死するほどの水は入っていなかったという情報もある。
そんな中で芸能サイト『TMZ』によると、ホテルの部屋から見つかった処方せん薬は、抗不安薬『ザナックス』や喉の細菌感染を治療するための抗生物質『アモキシシリン』など、比較的一般的なものだったことが分かった。その上、量もそれほど大量ではなかったことが明らかに。しかし、中には昨年に処方された薬瓶などもあり、中に別のものが入っていた可能性もあるとみられている。今後はホイットニーが死の前後に実際、何を飲んでいたのかを特定することが、死亡原因究明のカギになる。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)