州として破綻しかけているリンポポ州の内情は、想像を上回るものだった。州立病院の患者の食料が不足し、ビスケットを与えていたことが判明した。
ジンバブエ、ボツワナ、モザンビークの3国と接しており、有名なクルーガー国立公園がある南アフリカ共和国リンポポ州。そこにある国立病院では、悲しい現状が襲っていることを1月25日の地元紙が伝えている。
それによると、リンポポ州の州都ポロクワネにある州立病院では、パンがないためお茶とビスケットが患者に配られた。ランチにはポリッジ(粥)と肉が少し出されたが、果物や野菜はなかった。また他の病院では、患者の食事を購入するためのお金を医者が出したそうだ。
この現状を見かねた南アフリカ医師会(SAMA)は、病院の食料を供給している会社へ、食料の供給削減に対する法的措置を行う予定だと発表した。これに対し州の経済省は、供給会社がリンポポ州でストライキを行っていたので、患者に食料が行き渡らなかったと釈明。ちなみに当の供給会社は、食料の供給がストップしているのは政府からお金が支払われていないからというのではなく、『政治的理由』ということらしい。
1月19日、南アフリカ共和国経済省は「リンポポ州は、20億ランド(約200億円)もの資金不足に陥っていることから、『法律的には経済破綻』である」と発表した。その中には、州政府の車両購入、土地購入、そしてパーティへと流出しているとも言われている。また、公立学校に200名もの幽霊教師(教師として名前を登録しているが、実際に働いていない教師)がおり、その支払いが年間5億ランド(約50億円)だったことも指摘されている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)