アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】「飢えに苦しむ子供を見過ごせない」。親切心につけ込む。赤ん坊を抱いた男女のヒッチハイカーが女性を襲う。(南ア)

6ヶ月の赤ん坊を抱いたやせ細った女が、ヒッチハイクをしていた。たまたま親切心でこの母子を車に乗せてあげた女性が、生死に関わる災難に襲われた。

事件が起きたのは1月17日の夜。ハウテン州西部のハイウェイにあるガソリンスタンドで、スターダンさんという女性がガソリンを入れていた。そこへ生後6ヶ月の赤ん坊を抱いた女が歩み寄ってきた。女は「母子共々お腹がすいている、数キロ先にある自分の家まで乗せていってくれないか」とスターダンさんに頼んだ。赤ん坊を可愛そうに思ったスターダンさんはこの母子を家まで送ることに同意した。

ところが、女と赤ん坊が後部座席に乗り込んだ直後、見知らぬ男が助手席に乗り込んできた。男は「自分はこの母子の夫であり、家への道を知っている」と言う。不審に思ったスターダンさんだったが、とりあえず車をスタートさせた。

スターダンさんはカップルの言うことを疑いもせず裏道に入り、茂みの中へと運転していく。カップルが「ここからなら歩いていける」という場所で車は停まり、スターダンさんは少額ながら2人にお金まで与え、女は赤ちゃんを抱いて歩いていった。すると突然男がハンドルをロックする金属製の棒でスターダンさんの頭を殴りつけてきた。数回にわたって殴打されたスターダンさんは意識を失い、その隙に男は車内から金品を持ち出して逃走した。

午後9時過ぎ、スターダンさんの携帯から彼女のパートナーの元へメッセージが届いた。「(スターダンさんは)ルート500という道路の近くで事故に遭っている」というもの。続いて送られてきたメッセージには「もう生きていないかもしれない」と書かれていた。驚いたパートナーは警察へ届け、友人らと共に70キロ以上離れたルート500へと駆けつけた。しかし、ルート500は全長400キロ以上もあり、彼女はおろか彼女の車すら見つけることはできない。パートナーは「携帯を盗んだ人物が罪の意識を感じてメールで知らせてきた」と信じて、スターダンさんの携帯に電話をかけ続けた。

すると最初のメールから3時間後、スターダンさんの携帯から「夫が狂っていること、スターダンさんを助けたかったこと」という告白とともに、スターダンさんの居場所が送られてきた。メッセージの送り主は、夫には食べ物を買いに行くとウソをついて、スターダンさんの車まで戻り、車内にあった携帯を使ってスターダンさんのパートナーに連絡をしたそうだ。その後、パートナーはすぐにスターダンさんの車と本人を発見。彼女にはまだ息があった。スターダンさんは車から覗き込むパートナーらが敵だと思い、車のドアを開けさせるまでに時間がかかったそうだが、助けに来たことが分かると車のロックを解除、すぐに病院へ搬送された。幸い顔面の打撲だけで済み、1月18日夜には無事退院することができた。事件に関してスターダンさんは「女性として子供を労るのは当たり前。飢えに苦しんで子供を抱えている女性を見過ごすことはできないわ。」と述べている。

1月20日に警察は捜査を開始しているが、犯人はまだ見つかっていない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)