身動きできないように車のタイヤを肩の辺りまでねじ込む、通称『ネックレス』。そうした状態で体に火をつける残忍な殺害方法をとったとして、村民14名が逮捕された。殺害した理由は「孫娘を殺したから」だという。
1月11日午前12時半、ある老夫婦の家に村人が押し入った。叫び声を聞いた家主らが外に出てみると、貸家が燃えており、村人数人が外に立っているのが見えた。村民らは家の中にいた7歳の少年を外へ助け出したようだが、少年の祖母を助け出すことはなかった。そこで家主は恐ろしい光景を見た。「少年の祖父が逃げ出してきたが、村民らは彼を道の真ん中で捕まえ、火をつけた車のタイヤを祖父の首に押し込んだ。それは少年の目の前で起こったことだった。」少年は泣き叫んでいたそうだ。その間、祖母は村民に殺害されるのを恐れて外に逃げ出せず、燃え盛る家の中にいた。
惨事から1時間後の午前1時半、この地区の長に一報が入り、区長は救急センターとこの区に住む警察官に電話をした。しかし、警察官は自分も殺されるかもしれないからと、現場へ行かないというなんともお粗末な行動を取った。区長は再度救急センターへ警察を呼ぶよう手配した。
警察官が到着した頃はベッドルームとキッチンが燃え尽きており、祖母はベッドルームで、祖父は道で亡くなっているのが発見された。少年は警察が保護することとなった。
この祖父母は7日にも一度襲われている。村民らは斧を持ちながら家の中を歩き回り、祖父母らが呪術で使ったといわれているバブーンという猿を探したそうだ。彼らがこれほどまでに祖父母を敵視している理由は、祖父母が今年の1月3日に呪術の練習で16歳の孫娘を殺害し、庭に埋めたと信じているからだ。7日に襲われた際、祖母は孫の死亡証明書と葬儀屋の受領書を見せていたが、村民らは葬式や埋葬も見ていないから信じられないと祖母を襲った。地元新聞によると、孫娘は家族内での問題に思い悩んで、睡眠薬の過剰摂取をしたために亡くなったことが判明している。
クワズール・ナタール州の伝統的信仰治療団体のリーダーは、「呪術の練習をしたという証拠もなく、人を殺害するのは許せない。犯人は絶対捕まるべきだ。」と怒りをあらわにしていた。
その後警察は1月12日、18歳から40歳までの村民14名を逮捕している。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)