受付日の前日から大学の校門前に並び、入学希望申請書を出さなければならない学生やその親が、門が開くと同時に駆け込んだ。重なり合った人々の下敷きになり、1人が死亡するという事故が起きた。
事故が起きたのは1月10日の7時半頃、場所はブルームフォンテーンにあるヨハネスブルグ大学の正門だった。大学が正門を開けた直後に人々が門へ殺到、1人が下敷きとなり亡くなった。死亡したのは、志願に来た学生に付き添っていた母親。他にも17名が負傷し、近くの病院で治療を受けている。
南アフリカの入試は、12月に行われる「マトリック」と呼ばれる日本のセンター試験のようなものの結果によって決まる。7月に行われる中間試験の結果によってすでに大学に合格している者が多いが、マトリックの成績が悪いと入学取り消しになることもある。一方、7月の試験がいまいちでも、マトリックの試験結果によっては入学できることもある。今回の事件は、マトリックの結果を持って大学へ志願に来た学生たちが集まったことで起こった。
ヨハネスブルグ大学では1月9日朝から志願者の受付が始まった。9日月曜日の朝7時にはすでに大学へと続く行列は正門から1キロ以上もあった。月曜日の午前4時から並べば大丈夫だろうとやってきた学生は、午前1時から既にいた何百人もの学生を見てショックを受けたそうだ。
大学側は月曜日の段階で5000人もの入学希望申請書を受け付けている。月曜日に受け入れられなかった学生たちは、翌日来るように言われて長時間並んでいたが、正門が開くと同時に不幸は起こってしまった。
ちなみに我先にと駆け込んでも入学の合否の結果が変わるわけではない。今回のように何千人もが正門に駆け込むという現象は毎年のように起こっており、「なぜこれに対して大学側は対策を行わないのか」という不満も出ている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)