世界中に被害が広がっているサイバー犯罪、「ナイジェリアの手紙」を利用した誘拐事件が発生した。被害者は韓国人親子で、ヨハネスブルグの国際空港に到着後誘拐されたが、1月5日に無事救出された。
被害者は韓国人男性(65)とその娘(30代)の2人。メールでおびき出された2人は1月3日に南アフリカのORタンボ国際空港に到着、運転手が出迎えてソウェトにある家へ連れて行かれ、なぜか運転手も一緒に監禁されることとなった。
誘拐犯は5人の外国人と1人の南アフリカ人で、彼らは韓国にいる男性の妻に身代金として1000万米ドル(約7億7000万円)をシンガポールにある銀行口座に振り込むよう要求した。その後交渉の結果、身代金は大幅に下がって12万米ドル(約930万円)にまでなった。妻はすかさず南アフリカにある韓国大使館に連絡、ちょうどその頃、運転手が逃げ出して地元の警察へ駆け込んでいる。
結局、1月5日の早朝に警察が突入し逮捕となった。誘拐されていた親子も無事保護され、身代金は払われることはなかった。
「ナイジェリアの手紙」は419事件とも言われ、大金が手に入ると巧みな手口でターゲットを信用させて大金を騙し取る犯罪である。「419」というのは、マネーロンダリングや詐欺を規制するナイジェリア刑法第419条に抵触することに由来している。アフリカ、主にナイジェリアを軸に多発している国際的詐欺の一種で、手紙や電子メールを利用して「反乱軍リーダーの子供と名乗って、遺産が政府に没収されないよう協力して欲しい」といったものから、「あなたが宝くじに当選したので、その確認の為に少しお金を払ってもらいたい」などといったものまである。
逮捕された6人は来週月曜日に出廷する予定だ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)