11月8日朝、母親(26)が子供を保育所へ送った帰り、バイクに乗った2人組に射殺されるという事件が起こった。その後、元警察官や薬物依存者など5人が逮捕された。そして、12月14日、うち2人に懲役18年という判決が下った。裁判では、事件の全貌が明らかになった。
11月8日早朝、シャネル・ヘニングさんが運転中にバイクに乗った2人組に発砲され死亡した「ヘニング事件」。普通のバツイチ主婦だった女性がなぜ射殺されたのか。逮捕されたうちの実行犯2人が、12月14日の裁判で事件について告白をした。あとの3人の裁判は来年に行われる。
実行犯のデュ・プレッシとピーターズは、「モニーという男の『仕事』をすると、お金がたっぷり手に入る」とピーターズが言ったことがきっかけで、今年の7月に知り合った。プレトリアのガソリンスタンドで、デュ・プレッシ、ピーターズ、モニー、そしてヘニングさんの家や仕事場を知っているガウスという男で、その『仕事』について話し合うこととなった。デュ・プレッシとピーターズの2人は、銃を買うためにモニーからお金をもらったが、そのお金は麻薬などで消えてしまった。そこで、2人はシンという男が持っていたリボルバー拳銃を借りることとなった。
ヘニングさんを殺害することとなった2人は、二度失敗をしている。まず11月6日に殺害をしようとしたが、なんと2人は住所を間違えてしまった。翌日の11月7日は、バイク事故を起こして失敗。デュ・プレッシは友人にも止めるよう言われていたが、モニーの手先に「実行しないと家族を殺す」と脅されていたため、やらざるを得なかったと証言している。
そして運命の11月8日、ヘニングさんが息子を保育所に預けるのを待って殺害が実行されることとなった。ヘニングさんが車を出し、デュ・プレッシとピーターズはバイクをスタート。車に近づくと、デュ・プレッシは2回発砲、右肩から血が出ているのを彼は目撃している。
モニーはニュースにもなったこの事件に満足、デュ・プレッシを「キラーボーイ」と名づけた。2人は殺害実行でそれぞれ1万ランド(約9万4000円)もらえることになっていたが、2500ランドをとりあえずの逃走資金として渡された。しかし、警察はそれほど甘くはなくデュ・プレッシ、ピーターズ共々逮捕、さらに命令したモニー、情報を教えたガウス、凶器を与えたシンも逮捕された。
警察によると、ピーターズは麻薬およびアルコール依存症、デュ・プレッシは警察官時代に心的外傷後ストレス障害いわゆるPTSDを患っている。裁判では殺害だけでなく、無許可の銃を持っていたことで3~5年の懲役も加えられ、18年という懲役刑が下された。来年の裁判では、なぜヘニングを狙ったのかということも明らかになるであろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)