昨年の4月23日、2歳になる男の子が病院へ搬送され死亡した。男児の死から4日後、ある男(28)が逮捕された。この男は死亡した男児の母親の恋人だった。逮捕後、約1000ランド(およそ1万円)の保釈金で仮釈放され、結局無罪で釈放されたこの男が男児の母親と結婚したことが今月10日明らかになった。
2010年4月23日当時、男が逮捕されたのは「暴行による致死」だった。事件当日、男児の母親は仕事のため外出、家には男児そして母親の恋人であるこの男の2人だけだった。しばらくして、男から「すぐ帰ってくるように」というメッセージをもらい母親が帰宅したところ、男児は鼻血を出してぐったりしていた。急いで病院へ駆けつけたが、男児はその後すぐ死亡した。体のあざなどから男が暴力を振るったことは明らかだったが、原因解明のため検死が待たれることになった。
今年になってようやく出た検死の結果、男児の両腕は骨折しており、頭蓋も3箇所破損していたことがわかり、2歳児に対する殺意を持った暴力であることが明らかになった。しかし、驚くべきことに釈放された男は自分が殺した男児の母親と結婚していた。10月10日の新聞によると、州警察は「殺人」の罪で男を再逮捕する予定だと明らかにしている。
悲しんでいたのは男児の実の父親。父親は「最後に息子と会ったときは健康そのものだった。母親と一緒にいなければこんなことにならなかったのに・・・。」と落胆していた。
驚くべきは検死結果を出すまでに1年近くかかる南アフリカという国のシステムだ。だが、それ以上に理解に苦しむのは殺された男児の母親の行動である。自分の息子を殺したであろう男と結婚をする母親の心中など誰にも分かるはずもない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)