海に潜ったはずの男性は、なぜか警察に逮捕されていた・・・南アフリカのケープタウンにあるビーチでスキューバダイビングをしていた男性が家族に電話をしてきたのは、海の底からではなく留置所からだった。
9月14日、南アフリカ海洋レスキュー隊らがケープタウンのビーチに集まった。それは、スキューバダイビングで海底に潜ったまま帰ってこない息子(42)を探して欲しいという、切実な母親からの電話があったからだ。警察のヘリコプターや、温度探知機など様々な方法で大掛かりな探索を行っていたレスキュー隊は、母親から新たな電話を受ける。
「息子が警察から電話をかけてきた!」というもの。レスキュー隊は捜索を中止した。
実は、男性が行方不明になったと最初に言ってきたのは、彼の友人だった。友人がビーチを歩いている間に、警察がダイビングに行こうとしている男性を呼びとめ逮捕、連行してしまった。男性はダイビングをするための許可証を持っていなかったのだ。散歩から戻ってきた友人は、待てど暮らせど海面から姿を見せない男性に不安と焦りを覚えて男性の母親に電話、母親がレスキュー隊に連絡したということだった。
友人が心配するのも無理はなく、ケープタウンのビーチにはサメがよく出ることで有名であり、毎年必ず数名はサメの攻撃を受けている。例えばサーフィン中に怪我をして少しでも血が出ると、その日はサーフィンをやめなければならない・・・それぐらいサメには気を遣っている南ア人。友人の行動は間違ってはいなかったのだ。
お騒がせなこの人たちに、レスキュー隊は呆れたものの、人命が失われていなかったことに安心して帰っていったそうである。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)