9月13日の時点で死者は92名に達しており、黒焦げの遺体があちこちに転がっていた。オイルパイプから漏れた石油を手に入れようと集まっていた人々の中から、急に炎が上がったのだ。原因はタバコによる引火だという。
爆発が起こったのは9月12日、場所はケニアのシナイ(Sinai)というスラム街。やけどで全身の皮が剥け、手から皮膚がぶら下がっている。身元が判明できないほど焼け焦げた遺体がほとんどで、中には骨まで灰になるほど燃え尽きた人もいるようだ。9月13日の時点で警察が確認した死亡者は92名、死者はさらに増加し、最終的には120名に達するであろうと見ている。
パイプラインから燃料が漏れるのはこの地域ではよくあることで、人々はその燃料を売ってお金にするために集まってくる。その際に誰かが一服しようとタバコに火をつけようとして、火が燃え移った。爆発が起こった瞬間、多くの人が自分に燃え移った炎を消そうと川に飛び込んだが、そのまま亡くなった。その場で焼け死んだ遺体は、ほとんどが体を丸めるようにして亡くなっていた。
潘基文UN事務総長は月曜日に被害者へ哀悼の意とともに、「怪我をした人々の一日も早い回復を祈る」と述べた。ケニアの大統領ムワイ・キバキ、首相のライラ・オディンガ両氏も「国民がこのような事故で命をなくすのは非常に悲しいこと」と述べている。
アフリカでの燃料漏れ、オイルタンカーの事故は、燃料がお金になると貧しい人たちが群れを成して集まってくる。そういう状況で起こる火災は、多くの人を死に追いやっている。2009年にもケニアの西部でタンカーが横転し、そこから火災が発生、燃料を手に入れようと集まってきた人々122名が亡くなっている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)