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ワールドカップ時に設置されたズールーの戦士「シャカ王」の銅像が、設置後1ヶ月で姿を消した。理由は「牛飼い少年に見える」から。ズールーの魂を見せようと、この度新しいシャカ王がデザインされることとなった。
2010年FIFAワールドカップ開催時、南アフリカのダーバン新国際空港にズールー人の戦士、キングシャカの銅像が設置された。華々しく除幕されて現れたシャカ王を見た人々は落胆した。王のブロンズ像は家畜に囲まれ、戦士の証ともいえる槍が握られていないことから、「牛飼い少年だ」と現ズールー王などから苦情が出た。序幕から1ヶ月後、およそ3600万円をかけて作られたズールー王は姿を消した。
南ア初のズールー人大統領、ジェイコブ・ズマはこれではいけないと思ったのだろうか。新しいズールー王の銅像を設立することが、9月初めに決定した。費用はやや値上がりして350万ランド(約3800万円)。
デザインは南アの芸術家ピーター・ホール氏が手がけることとなった。ズールー王家や学究者らもホール氏の作品には感銘を受けているそうだ。
ちなみに元ズールー王をデザインしたアンドリエス・ボタ氏もデザインチームに誘われたが、断っている。「政治的もくろみやズールーの観念などが複雑に絡み合っている制作過程に、自分の存在が役立つとは思えない。」となかば自棄気味な発言をしている。
新シャカ王の銅像は、勝利を表すポーズでさらに槍を持ち上げるようにして台座に立っているという。ズールー人が気に入れば、今回もまた空港でズールーダンスが見られるかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)