23歳のジンバブエから来た女性は首から上が包帯で覆われており、目と口だけが見えている。視力はほとんどなくなった。彼女は火曜日の夜、見知らぬ男2人に、酸をかけられ大ヤケドを負った。
8月30日午後8時過ぎ、ケープタウンの中心街で、医療施設の受付の仕事を終えた女性はミニバスを待っていた。そこへ男が2人やってきた。彼女は男達がなんとなく不審に見えたが「バスを待っているのだろう」ぐらいにしか思っていなかった。
彼らは女性の横にやってきた。彼女は怖くなり、少し道を下って近くの店の前に移動した。数分後、バスが到着し女性は乗車、すると彼らも乗車してきた。メインロードからケープタウンセンター街に近づくと、彼らは運転手に降りるから車を停めるように指示し、バスは停止した。「2人のうち1人は手に透明の液体が入ったボトルを持っていたが、彼らが下車するときにそのボトルをこっちに投げてきた。」直後、女性は顔に焼けるような痛みを感じた。手もヤケドし、スカーフやかばんにも穴が開いた。
バスに乗っていた他の乗客は、すぐに病院へ運ぶよう運転手に伝えた。女性の横に座っていた男性も足にヤケドを負った。女性の顔はみるみる赤くただれ、手からは血がでてきた。医師は「酸、恐らく硫酸による重度のヤケド」と診断、すぐに治療した。
警察は2人の男を捜索中だが、女性がわかるのは1人が黒人で、もう1人はカラード(混血)、どちらかがドレッドヘアでクリーム色のジャケットを着ており、もう一方が帽子をかぶっていたということだけ。視力がほとんどなくなった彼女が、犯人の顔を見分けられる可能性は低いだろう。
日が落ちてからのケープタウンビジネス街は、売春婦やホームレスがうろつきひっそりとしている。それにしても都心で、しかも道端でいきなり酸をかけられるとは非常に物騒な事件だ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)