南アフリカの西ケープ州に、ナイズナという鯨を見られることで有名なビーチ沿いの町がある。普段はいたって静かな町なのだが、8月24日の朝、スクールバスが転落し14人の子供が亡くなるという惨事が起こった。
現場は、学校へ行く道の途中にある低い橋の下にあるダム。バスの先頭はダムに浸かっていて見えない。この事故で運転手1人と生徒14人の計15人が死亡、44人の生徒が負傷した。
8月24日早朝、58人もの生徒を乗せたバスは、目撃者によると急に制御がきかなくなったように橋からダムへと転落したそうだ。西ケープ州の教育省の調べによると、このルートを利用する生徒数は67人、一方、バスの座席は32席。通常ならば2台以上を利用すべきところだが、実際には58人を無理やり押し込んだ状態だった。バスに乗車していたのは7歳から14歳までの小学校の生徒で、教育省のリストから親へ連絡が行った。ある母親は、3人の子供がバスに乗車しており、3人とも亡くなったと泣き崩れている。
負傷者はナイズナの州立病院へ運ばれた。ほとんどが背中や首を痛めているが、中には低体温症などになっている生徒もいたそうだ。
事故原因ははっきりとわかっていないが、目撃情報などから、どうやらブレーキが損傷していたのではないかと見られている。
現場を訪れた西ケープ州教育大臣は、遺族への悔やみとともに、「事故による子供の死亡はなんとしても避けたい」などと、涙ながらにコメントした。ジェイコブ・ズマ南アフリカ大統領からも遺族や学校、地域社会へお悔やみが言い渡された。また交通省によると、今月だけでも南アフリカでは交通事故が6件、60人が死亡していることが発表されており、今後の交通事故への予防強化対策は必至と思われる。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)