アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】「赤ん坊の遺体」「病気に感染」。ごみ収集業者たちの過酷過ぎる労働環境。(南ア)

毎年非衛生的なストライキを行う行政関係。しかし、彼らの非道だけを責めるわけにはいかない。「ネズミがゴミ箱から飛び出す」「赤ちゃんの遺体が発見される」など、働くごみ収集業者たちが過酷な現状を語った。

47歳のごみ収集者は「ゴミ箱を開けるとネズミが飛び出してきて顔にぶつかりそうになった」「ネズミは巨大ですごく臭いし、なによりもいろんな病気をうつされそうでいやだ」と仕事の辛さを語った。

8月15日月曜日から始まったケープタウン市労働組合のストライキには、1000人以上の人々が賃金値上げを掲げて市を行進した。毎年の事ながら、道にあるゴミ箱をぶちまけたり、そのゴミに火をつけながら歩いている。今回はそれに加えて、市職員が仕事中使用する車の窓を割って一時騒然となった。彼らの要求は18%の賃金増もしくは2000ランド(約2万1000円)増だ。

彼らの言い分もわからないわけではない。過酷な仕事にもかかわらず、賃金はよくて毎月4300ランド(約4万6000円)。「市長は年に140万ランド(約1500万円)ももらっている。馬鹿げている。」と憤る気持ちもわからないでもない。

ごみ収集業者の中でも最もひどい経験が「ゴミ箱に遺体が遺棄されている」ケースだ。ある人はケープタウンの高級住宅街のゴミ箱から「赤ちゃんの遺体」を発見した。「すぐに警察に連絡して赤ちゃんの遺体を取り出した。あれだけは一生忘れられないひどい経験だ」という。また、昨年から手が何かに感染したらしく、ただれてきたという人も多い。

彼らの要求に対し、副市長は「彼らの仕事には感謝をしている。賃金の値上げも理解しているし、法に基づいて行うストライキの権限も認めている。提出してくれた書類は市長に届け、返答を行う。」として、書類を受け取った。

副市長が去った後、ストライキはやや過激になり、警察に石を投げたりするものが出たが、けが人などはなく1日目は終了した。

南アフリカでは、経営者以外は全て低賃金と言われるほど、雇用者の給料は低い。さらに物価の上昇が低所得者の暮らしに圧力をかけていることはいうまでもない。犯罪の低下を目指すならば、賃金の値上げは必要だろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)