アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】包茎手術の廃棄部分がビッグビジネスに!?保健省などが警告。(南ア)

南アフリカでは割礼という儀式が未だに残っている。しかし、医療資格のない者が非衛生的環境のもとで行うことが多く、割礼後に感染症などで死亡するケースが多いのが問題視されている。それだけでなく、病院などで包茎手術を行った場合も問題が出てきた。

8月8日、南アフリカのクワズール・ナタール州の保健省は、公立の病院で産まれた男子新生児の母親に病院での包茎手術を昨年から提供していることを発表した。これに対し医療人権支援ネットワークの生命倫理フォーラムが怒りをあらわにした。なぜならばおよそ230万もの切除した包皮が皮膚組織の売買行為に利用される可能性があるからだという。

実はこの切除した包皮は化粧品産業、インスリン製造、そして人工皮膚などで利用されるので、ビッグビジネスにつながるのだ。新生児の包皮には幹細胞再生能力がある。幹細胞の再生は人工的に不可能なので、利用価値が非常に高いということで、特にシワを取るといった整形手術で利用されているそうだ。

生命倫理フォーラムは「生体サンプルや手術中に切除された組織といったものは専用の処理容器に入れ、法に基づいて廃棄すべきである」と警告している。この組織を廃棄するための処理はずさんで規定もないので、誰もが廃棄する組織を手に入れることができ、ビッグビジネスに簡単に飛び込むことができるというのだ。これは割礼という儀式の多いアフリカの国がこぞって参入できる危険性が高い。

一方、保健省は「全ての包皮はヒト組織法(Human Tissue Act)に反しないよう焼却しているはずで、包皮が化粧品業界などに売られることはない」と主張している。以前ある母親が「切除した息子の包皮を返して欲しいと病院に頼んだら断られた」と抗議したが、これに対しても「医師は間違ってはいない」と述べている。

医療人権支援ネットワークは「アメリカでは廃棄された包皮の容器を盗むという事件が多い」ことを発表し、「人間の組織を市場に流通させることは、一種の『生体の植民地化』が生まれてくる」と主張した。さらに、政府は医療人権支援ネットワークに対して包皮がきちんと廃棄されているかを監督させる権限を与えるよう述べた。

貧しさゆえに包皮を売るということも今後は大いにありうる。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)