南アフリカのワインの名所、ステレンボッシュで痛々しい事件が起こった。ある飼い犬の頭部にナイフが突き刺さっているというのだ。その後、獣医によって無事ナイフが抜かれた。
8月6日天気のいい土曜日の朝、ステレンボッシュに住む芸術家の男性は近所の人から一報をもらった。「お宅の犬が、頭にナイフを突き刺したまま道を走っている」というもの。男性はたちの悪いジョークだと思ったのだが、6歳になるメスの愛犬「ベラ」を見て我が目を疑った。
男性が家の外を見てみると、ちょうど警察が泥棒を追いかけて銃を抜きながら走っていくところだった。通報通り頭にナイフの刺さっているベラは、泥棒だけでなく警察にも果敢に立ち向かっていた。
きっかけは、ある家の庭を歩いている不審な人物を目撃した人が、警察へ連絡を入れたことだったという。逮捕された泥棒はベラの飼い主が住む家には侵入していないと主張しているが、庭に入り込んだ可能性が高いと思われる。その泥棒に対して吠えかかっていったベラに、泥棒がナイフを突き刺したようなのだ。
飼い主の男性は直ちにベラを獣医のもとへ連れて行った。ベラはすぐに麻酔をかけられ、緊急手術を行った。ナイフはベラの眉間に刺さっており、深さなんと12センチ。獣医によると、ナイフを抜き出すためにベラの顔に足をかけて抜き取るほどだったそうだ。幸いにもベラは傷口を縫っただけで、状態は安定していた。奇跡的にも脳に傷ひとつなかった。抜き取られたナイフは、犯人逮捕の手がかりとなるため警察へ渡された。
ベラは「勇敢に立ち向かった」ということで、ご褒美に牛ヒレ肉をいただいた。ジャーマンシェパードとテリアの雑種犬、黄金色の毛並みのベラは、ややフラフラしているもののご褒美に大満足だったようだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)