音楽番組「カミスン!」が8月1日の深夜から放送されていた。その際に地震が発生してスタジオも揺れたのだ。
中居正広がMCを務める「カミスン!」は音楽番組としてはめずらしい深夜11時50分からの生放送だ。8月1日の1人目のゲストは槇原敬之で中居正広が彼の新アルバム『Heart to Heart』について紹介し、その内容についてトークをすすめた。
槇原敬之は東日本大震災が起きた頃にちょうどアルバムの楽曲を作成していたという。彼はその前からプロデューサーに『Heart to Heart』というテーマでどうかと提案されて迷っていたのだが、震災が起きた後に「シンプルなメッセージが良いな」と納得して作成したと話した。
「人って自分たちのことを真ん中に置きたがるじゃないですか?」と槇原が語りだした時だった。スタジオが地震で揺れて2人の表情が緊張した。「ちょっと揺れてますね!」と様子をうかがう中居と周囲を見回す槇原だったが、3秒ほどで「スタジオは大丈夫?」とスタッフとコンタクトをとった中居は冷静にトークを続けたのだった。やがて『23時58分ごろ東海地方で地震』と地震情報がテロップで出ると震度5弱が静岡県伊豆、静岡県中部で東京都23区は震度3となっていた。
その後、槇原は知り合いが小学生の頃からずっと使っているというハサミを貸してもらったことをきっかけに「物も人と同じで地球に存在するものとして一緒にいようとしてくれているのではないか?」と気づいたことを話し、中居も「愛すると言うのはペットでもそうですし物でもそうですし、人間だけではないということですね」とアルバム『Heart to Heart』に込めた槇原の思いに共感していた。
槇原はアルバムから楽曲「Remember My Name」を生演奏で披露した。同曲について槇原は「がん治療でがんばっているお医者さんを応援する」という意外な内容を明かした。彼は米国では医者と患者がお互いに親しみを込めて「ドクター」では無く名前で呼び合い、病を治そうと努力する同士、友達の関係であることに感銘したという。「つらいことがあった時に友達がそばにいてくれることへの喜び。もしそばにいなくても名前を思い出せることが嬉しい、孤独ではないんだ」ということを歌ったものである。
生放送中に地震が起きても冷静に番組を進める中居正広にも感心したが、繊細な内容の楽曲をLIVE演奏する槇原敬之にもプロ根性を感じる出来事だった。この後にもKAT-TUNなど数組のミュージシャンがパフォーマンスを披露したが、地震発生直後の2人の態度がスタジオの安心感を作ったことは確かだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)