writer : testjournalist

【ドラマの女王】ガッキーの新たな魅力“全開”で月9復活なるか? AKB前田にまずは1勝『全開ガール』。

7月開始ドラマが次々とスタートを切り始めた。今クールはAKB48のエース前田敦子主演『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(フジテレビ系)など注目作が多い。そんな中、ガッキーこと新垣結衣の連ドラ初主演作『全開ガール』(フジテレビ系)が初回視聴率10.1%のイケパラを上回る14.6%と好スタートを切った。

幼い頃、貧しい思いをして育った鮎川若葉(新垣結衣)は年収100億円も夢ではないと言われる国際弁護士を目指してひたすら勉強に専念し、司法試験に一発合格するエリート。しかし、採用された外資系弁護士事務所が日本撤退を表明したため、鮫島桜川法律事務所に拾われる。そこで与えられた仕事は事務所の所長であるカリスマ弁護士・桜川昇子(薬師丸ひろ子)の愛娘・日向(谷花音)のベビーシッターだった。「一度引き受けた仕事は最後までやり遂げる」がモットーの若葉は子ども嫌いでありながらも奮闘する。日向の保育園でイクメンの星と呼ばれる山田草太(錦戸亮)と出会うが、若葉は学ナシ、財ナシ、将来性ナシと草太を論外とする。

キャリアウーマンといま流行りのイクメンのデコボココンビが繰り広げる月9では久々のラブコメディ。テンポのいい運びが見ていて気持ちのいい初回だった。まずこれまではおとなしい優等生キャラの多かった新垣が強気なエリート女性を好演している。あの癒しの笑顔は封印し、眉間に皺を寄せてガンをとばしたり、妄想したり、まるでコントのように顔を赤らめた(少しやりすぎに見えた)酔っぱらいメイク、方言丸出しで悪態をつくなど、まさに“全開”で演じている。「あのガッキーがこんなことまでするのか!」と初めて見る表情に魅せられてしまう。もしかすると彼女はコメディの方が合っているのかもしれない。それくらい見ていて気持ちのいい突き抜けっぷりであった。

対するイクメンの星・草太役の錦戸も、前クール『犬を飼うということ~スカイと我が家の180日~』に続き、再び親を演じる。前作とは違ったタイプであるが、子どもとも打ち解けているようで、今後どれだけ成長したか注目である。

キャリアウーマンと冴えない男のラブコメは過去にもたくさんあるが、このドラマは主人公・若葉が新人という設定が良い効果を生んでいるように見える。自分はエリートであるとプライドの高い若葉だが、実際は新卒の新入社員(試用期間中)で、回ってくる仕事も雑用やシッターばかり。加えて慣れないシッターの仕事では失敗の連続で、キャリアウーマンからは程遠い状況。そんな若葉の奮闘振りは視聴者に親近感を与えたのではないだろうか。

奇抜な設定ではなく、働く女性が見ていて少しだけ憧れを持つリアリティのある設定。かつての月9の主流であった、ドラマを見て「明日からもがんばろう」そして「あんな恋愛できないかなぁ」と少しでも思わせるような仕上がりになっていると思う。そんな月9のラブコメ復活の兆しを感じさせた。

これから若葉が草太や日向と触れ合うことで成長していく様子と一緒に新垣が女優として、どのような成長・表情を見せてくれるのか楽しみである。そういう面も含め、久しぶりにわくわくするドラマに出会った気がする。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)