アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】ケープタウンの列車は落書きと壊れた椅子だらけ?!半年で6600万円かけて列車を修復中。(南ア)

南アフリカの鉄道会社「メトロレイル」は7月21日の新聞で、「公共物破損や落書きによって車両が使用できなくなるケースが多く、この半年だけで7000本以上の列車に影響が出た」と発表した。

南アフリカのケープタウンではインフラ基盤が非常に弱い。特に鉄道はひどく、落書きや設備の破損などで列車を遅らせているケースが多い。

メトロレイルには一等車と三等車があり、値段も倍以上違ってくる。かといって内装はほとんど同じで、どちらかというと一等車のほうが損壊が激しいこともある。落書きだけでなく、椅子の布が破かれて中から綿が出ていたり、電気がつかないため薄暗い車内になっていたりと、利用者を落胆させている。またほとんどが無人駅のため、チケットを確認するわけでもない。車内でチケットの点検をするのは月に1度程度、そして多くが各駅停車だ。

昨今ガソリンの値段の急騰により電車通勤を利用する人が増加しており、西ケープ州だけでも乗車人数は昨年の延べ人数3600万人から4200万人へと利用増となった。しかし車内でも駅構内でも列車案内が不足しており、指定のプラットフォームに行っても時間通りに来ないなど、利用者の不満は高まっている。

メトロレイルは「サービスが満足にいかず列車が快適でないことも会社側は理解している。現在の最重要課題は列車の人的な落書きや損傷の防止である。」と会社側は述べている。今年だけでも列車の損傷による影響でなんと289本の運転がキャンセル、6489本が遅延となり、何千人もの乗客に影響を与えた。

しかしメトロレイルもただ黙って列車が壊されているのを見ているわけではない。過去6ヶ月で550万ランド(約6600万円)を使って列車の修繕を行った。またメトロレイルでは、駅構内に常に警備員を配置、列車の損傷がもっとも行われる夜の運転にはさらに警備員を増やして破損や窃盗が起こらないように目を光らせている。7月11日からの一週間だけで、公共物破損や窃盗で11名を逮捕している。

利用客の急増によって列車の安全、サービス向上に対する要求は強まっている。ヨハネスブルグでは「ハウトレイン」という特急列車が走っているが、ケープタウンでは安全の面で敬遠されているのか観光客目当てというよりも通勤利用者が多いようだ。

メトロレイルには、インフラの急速な発展を目指すためにも、世界中から鉄道改良に向けての協力を呼びかけてもらいたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)