右目の視力がほとんどない7歳の少年が、交通事故に遭ったことをきっかけにその視力を劇的に回復させるという奇跡のような出来事が起きた。
少年は南アフリカの北西州ポチェストルームに住む7歳のジャハード君。彼がメガネをかけ始めたのは生後9ヶ月のとき。生まれたときから視力障害を持ち、視力は通常の人の10%ほどしかなかった。母親によると、右目だけでは昼と夜の違いがわからなかったという。
そんなジャハード君に奇跡が起きたのは2週間前だった。
自宅を出たところでミニバンタクシーと衝突、タクシーが来ていることが見えなかったジャハード君の身体は12メートルも飛ばされた。ジャハード君はすぐに病院へ搬送されたが、幸いにも右目上部の怪我と軽い脳震盪だけで命に別状はなかった。すると、彼はそこで何度も母親に「見える!見える!」と訴え始めた。当初、母親は事故によって怪我をした右目の腫れが治まったことをジャハード君が「見える」と表現していると受け取った。
ところが、腫れが全て引いた後でも「見える」と息子はいい続ける。そこで、いぶかしみつつも母親は眼科へ連れて行った。すると驚いたことにジャハード君は視力検査の一番大きな文字から一番小さい文字まで全てを読み上げていった。この瞬間、ジャハード君の視力が回復したことが証明されたのだ。
この情報を聞きつけた新聞社が、プレトリアにあるジャハード君が一時通っていた眼科医療施設に問い合わせてみたところ、「詳細なコメントはできないが、ジャハード君の視力は(事故前の)治療によって回復しつつはあった。」ということであり、今後も同施設で更なる治療を行っていく予定だということだ。
いずれにしても、この事故が彼の視力を回復させた一因である可能性は否定できない。彼の強運と人体の神秘に人々は驚きを隠せないでいる。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)