5月半ばに行われた選挙で誕生したある市長が、自分の給料を全額寄付した。市長当選直後にも、市長専用車を拒否して自家用車を使用しているという、まさに「市長の鏡」的人物が現れた。
この新市長はダーバン郊外にあるウンボティ(uMvoti)の市長選に当選したフィラニ・ゴッドフレイ・マヴンドラ(Philani Godfrey Mavundla)氏だ。マヴンドラ氏は市長に当選した直後から、一目置かれる存在になった。市長専用車の60万ランド(約710万円)の予算を拒否、自費で購入した車を利用したからだ。
更に6月20日の発表で、彼は自分の給料70万ランド(約830万円)やその他諸々の手当てを全て、貧困対策プロジェクトや過疎地域の道路にある陥没した部分を修繕する費用などに寄付することにした。一体この人物は何者なのか?
実はマヴンドラ市長はこのエリアでは名の知れたビジネスマンで、行政もビジネス同様に経営していく必要があると考えている人物。
このウンボティという場所はクワズール・ナタール州に位置し、ダーバンを含む19の行政地区のひとつである。しかし、選挙の際にはまったく政治家たちに見向きもされず、昔はANCとNFPという政党によってしかたなく共同運営していたという場所だった。マヴンドラが市長になった最初の会議で、「市長及び副市長は常勤の議員として働き、彼らによって出された決議はIFP党が判断する」と決めた。この結果に他の議員たちも「仕事に対するモチベーションがあがる」と感激、さらにウンボティの人々も今まで虐げられてきただけに期待を持っているそうだ。
マヴンドラ氏は5年後のウンボティが楽しみと述べている。
本当に市民のことを考えている人がトップに立つとどうなるのか、おそらく多くの人々が注目していることだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)